本日もお越しいただきありがとうざいます。
元イタリア料理人で、初めての海外旅行はイタリアだったウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のお話は
「イタリア初にして唯一のモルトウイスキー蒸留所『プーニ PUNI Distillery』」
について
元イタリア料理人の僕としては絶対に外せないと思っていた、
イタリア初の本格モルトウイスキー『プーニ PUNI』を先日入手しました!
とはいっても「イタリアのモルトウイスキー」はあまり馴染みがないと思います。
イタリアで蒸留酒といったら「グラッパ」。
唯一あるとしたら「イタリアンマフィアが飲んでそう。」っていうイメージぐらいかなと思います。
それもそのはず!
この蒸留所は2010年できたばかり。
そして最近になってやっと日本でも輸入販売できるようになったウイスキーです。
元々「プーニ PUNI」をご存知の方が少ないのではないでしょうか。
そこで今回は「プーニ PUNI」蒸留所について深堀りしていこうと思います!!
プーニ PUNI蒸留所について
プーニはイタリア初にして唯一の本格ウイスキー蒸留所。
2010年に設立された会社で、家族経営だそうです。
この蒸留所はイタリア北部でオーストリアやスイスとの国境付近、
トレンティーノ=アルト・アディジェ州のグロレンツァという小さな町の郊外にあります。
この地域はイタリア系民族よりドイツ系民族が多いです。
過去には「南チロル地方」と呼ばれていました。
アルプス山脈の真ん中、オルトラー山脈近くにあるプーニ蒸留所付近は、
- アルプス山脈水源の澄んだ高山水
- 昔から高品質で有名な地元産の穀物
- ウイスキーの熟成に適した気温差の激しい気候
だそうです。
またスコットランドの伝統的なポットスチルと付近の気候を活かした特注の熟成庫がこの蒸留所のこだわり!
プーニPUNI蒸留所はウイスキーの伝統を周到し、ここでしか作れないウイスキーにチャレンジし続けています。
特に地元産のライ麦を使った100%モルトウイスキーを作っています。
ウイスキーとしては2015年リリースとごく最近ですが、数々の賞を受賞しています。
- 2016年、ワールド・ウイスキー・アワードでデザイン賞を受賞。
- 2017年、IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)にて銀賞受賞(プーニ・ソーレ)
- 2018年、IWSCにてOutstanding silver(傑出した銀賞)を受賞(プーニ・ゴールド)
そんなプーニ蒸留所の誕生秘話や製法へのこだわりには味わい深いものがあるはず!!
ということでプーニ(PUNI)蒸留所の深いストーリーやこだわりの製法についてみていこうと思います!!
最後に自分が購入した「プーニ・ゴールド」についてのテイスティングレビュー も載せますので、
気になる方は購入時の参考にしてください!!
プーニ PUNIのストーリー
プーニは2010年、イタリアの北部トレンティーノ=アルト・アディジェ州のヴェノスタ渓谷にあるグロレンツァという小さな町の郊外に誕生しました。
ヴェノスタ渓谷は、アルプスの山々と緑豊かな風景、中世の都市や古城など美しい景色が広がる北イタリアの代表する渓谷の一つ。
イタリアの文化とスイスやドイツの文化が入り乱れた地域で、イタリア語よりドイツ語の方がよく聞くそうです。
中でもグロレンツァ近郊は昔からライ麦の栽培が有名で、澄んだ空気と清らかな高山水がこの地の自慢です。
それに加えて変化の激しい気候が、「並外れたウイスキー」を作るのに理想の場所なのだとか。
長年考え抜いた末、2010年エベンスペルガー家がこの地にイタリア初のモルトウイスキー蒸留所を建設しました。
「プーニ(PUNI)」という名前はヴェノスタ渓谷を流れる近くのプーニ川からつけられました。
ポットスチルはスコットランドのロセス地区で、手作業で作られたスチル。
そのポットスチルをスコットランドの専門家からの指示をもとに配置されました。
ロセスのスチルメーカーなので多分大手スチルメーカーの「フォーサイス社製」だと思います。
また、蒸留所ビジターセンターの外観デザインは個性的でモダン!!
そのモデルとなっているのは地元の納屋に基づいたレンガ造りだそう。
「伝統と現代の調和」が表現されているらしいです。
地元出身の有名建築家が手掛けています。
蒸留所設備の完成
2012年ついにこの蒸留所の設備がすべて整い、この年の春にイタリア初のウイスキーの製造がはじまりました。
2012年2月24日初めて最初の留液が流れ出た時、
PUNIチームが発足して5年以上の年が経っていたそう。
チームメンバーにとってこの日の瞬間は最高に胸躍る瞬間だったそうです。
そしてこの年の秋には、ビジターセンターもオープン。地元内外から多くの方が訪れました。
ついにプーニのウイスキーがリリース!!
3年以上の熟成後、2015年10月に「プーニ・ノヴァ」と「プーニ・アルバ」がリリース。
非常に様々な樽を試し、この製品ができたそうです。
プーニ・ノヴァはバーボン樽で熟成後、1か月新樽で仕上げたウイスキーで、軽やかでフルーティな味わいが特徴だそうです。
ただ「プーニ・ノヴァ」は限定リリースのようで定番化はしていないようです。
プーニ・アルバは定番商品化しているそうなので、ラインナップの方に記載します。
「プーニ」の今
今プーニは様々な試みに挑戦しています。
- ドイツ産も使用した100%大麦麦芽のウイスキー
- オリジナルのスコットランドピート麦芽を使ったピートタイプのウイスキー
などなど
さらに樽の種類もどんどん増やしています。
バーボンカスクからシェリー、イタリアワイン、スコッチウイスキーカスクなど様々なキャラクターの樽を試していくそうです。
その樽から生まれる新しいプーニにも注目ですね!!
プーニ PUNIのこだわりの製法
プーニ蒸留所があるヴェノスタ渓谷はライ麦が名産。
そのためこのウイスキーにもライ麦が使われているそうです。
それなのにモルト100%の「モルトウイスキー」を謳っています。
この秘密は、ライモルト(ライ麦麦芽)を使用していると思います。
すみません、どこにも記載はないので確証はありません。
ただモルト100%であることは間違いないそうです。
そうなると大麦麦芽にライ麦麦芽を混ぜているのだと思います。
これに関しては新しい蒸留所なので、情報が乱立してますね。。。
イタリア産、ドイツ産、スコットランド産の3タイプのモルトを混ぜて粉砕し、糖化しています。
一回の糖化に使う麦芽量は1トン。そこから6000ℓの麦汁を得るそうです。
得られた麦汁は地元産のカラマツ製の発酵槽に入れて発酵させます。
その時間は96時間と少し長め、この長めの発酵が軽やかなでフルーティな味わいを生んでいます。
プーニの蒸留方法は独特。
近年多くの蒸留所は蒸気を使った間接加熱が主流です。
しかし、プーニは間接加熱ではありますが、蒸気ではなく熱湯を使うそう。
湯煎で加熱することで正確な制御ができるのだとか。
そして樽に詰めた原酒は、ヴェノスタ渓谷の激しい気候の恩恵を受けます。
プーニ蒸留所のある南チロル地方の気候は、夏は暑く冬は寒いのが特徴。
この気候によって原酒が早く成熟するそうです。
このため短期熟成でも十分なまろやかさが生まれます!!
このまろやかさこそプーニ最大の魅力かもしれません。
プーニ PUNIのラインナップ
プーニ・ゴールド PUNI GOLD
熟成 | 5年 |
アルコール度数 | 43% |
樽 | バーボン |
クラシックスタイルのスムースなモルトウイスキーです。
プーニ・ソーレ PUNI SOLE
熟成 | 4年 |
アルコール度数 | 46% |
樽 | バーボン&ペドロヒメネスシェリー |
フィルバーボンバレルで2年間熟成され、スペインの最高のペドロヒメネスシェリーカスクでさらに2年間追加熟成させています。
ソーレはイタリア語で「太陽」の意味。シェリー造りに必要な太陽からつけられたのだとか
プーニ・ヴィーナ PUNI VINA
熟成 | 5年 |
アルコール度数 | 43% |
樽 | マルサラ |
シチリア島の厳選されたマルサラワイン樽で熟成させた独自のウイスキーです。
プーニ・アルバ PUNI ALBA
熟成 | 3年 |
アルコール度数 | 43% |
樽 | マルサラ&アイラスコッチ |
シチリアの最高級マルサラ樽で3年間熟成され、アイラ島の厳選されたスコッチウイスキー樽で仕上げられます。
蒸留所データ
創業……2010年
使用麦芽……イタリア産、ドイツ産、スコットランド産のモルト(ライモルトも含まれている?)
発酵槽……カラマツ製
発酵時間…… 96時間程度
ポットスチル……初留釜1基、再留釜1基
【テイスティングコメント】プーニ・ゴールド PUNI GOLD
アロマ
レモンやアンズ、カラメルやバニラ、はちみつのような甘い香りが漂う。
白い花のようなフローラルな印象やパンのような穀物のニュアンスもかすかに感じられます。
評価
75/100
コメント
まず甘みが程よく来たところで、若いアルコールのアタック。
そのあとフレッシュなリンゴやナシをかじったときのようなジューシー感と甘み、やや酸味。
ジンジャーエールやシロップ漬けの生姜のようなニュアンスが強いです。
樽は控えめで全体的には軽やか。
ただ味わいの途中にややシュークリームのようなクリーミーさや胡椒のスパイス感とハーブやジュニパーのような清涼感がある。
若いモルトとして軽やかなまとまりの中に、様々なフレーバーが感じられる。
加水すると、バニラとフルーツのフレーバーが特に強くなる。
やや桃っほい印象が現れ、飲んでみると甘みがすごく強くなっている。
そしてスパイシーさもあり、上品なジンジャーエール。
まあ一言でまとめると「大人のジンジャーエール」って感じです。
お値段的に考えるとコスパはよくないです。
ただ軽やかなながら、スパイス感と甘みというはっきりした味わいはイタリアらしい気はします。(笑)
味のまとまりは伝統的なスペイサイドのモルトウイスキーっぽいけど、フレーバーは全然違う。
「伝統を周到し、革新を生み出す」というところがウイスキーからも伝わってくると思います!!
新しい蒸留所なので、原酒が増えていけば価格の面は大きく改善されていくはずです!
ただし、口開け半年してから久しぶりに飲んでみたら、かなり「抜け感」がありました。
あたらしい蒸留所だからこそなのか熟成が早いためかわかりませんが、ウイスキーにしては劣化が早いようです。
本来の味を楽しむなら、口開けしてから早めに飲むことをお勧めします。
今後のプーニにも注目していきたいですね!
ウイスキー好きの方に一度味わってもらいたい面白いウイスキーです!!
気になる方はぜひ試してみてください!!
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コメント
コメント一覧 (2件)
ウイスキーというと、どこも長い歴史のあるメーカーばかりのイメージですが、2010年からの新興メーカーが、イタリア発であるんですね(*´ω`*)
しかしまぁ、蒸留所の外観からして芸術的ですね♪(´ε` )
プレゼントとかにも持って来いな、いい感じのウイスキーですね(๑˃̵ᴗ˂̵)
そうですね!!
このウイスキー、デザインがすごくいいので、プレゼント向きだと思います!
イタリア好きな人も多いですし!