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致命的に安定感の足りないウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のテーマは究極のオールラウンダーと呼ばれる「ハイランドパーク Highland Prak」蒸留所についてです!!
ヴァイキングの文化が今でも色濃く残っているオークニー諸島。
そのオークニー諸島で作られている「ハイランドパーク Highland Prak」は、そのユニークな文化を体現したようなボトルが印象的です。
「ハイランドパーク Highland Prak」は、はちみつの甘みにピートのスモーキーな香り、シリアルのニュアンス、チョコレートのビター感が特徴。
スコッチモルトウイスキーの様々な味わいを詰め込んだようなウイスキーです。
ハイランドパークは、「究極のオールラウンダー」と呼ばれています。
また、ウイスキー評論家の方のマイケル・ジャクソンからは、
「全モルトウイスキーの中で、最もオールラウンダーで、秀逸な食後酒」
との評価も得ています。
ブレンデッドウイスキー『フェイマスグラウス』や『カティーサーク』のキーモルトとしても有名。
スコッチファンからも特に人気の高い銘柄です。
今回は、『ハイランドパーク Highland Prak』蒸留所の特徴、ストーリー、製法を見ていこうと思います!!
ハイランドパーク Highland Prak蒸留所について
ハイランドパークは、スコットランド北のオークニー諸島のメインランド島にある蒸留所です。
メインランド島の中でも、カークウォール外れのスキャパ湾を見下ろす高台に蒸留所はあります。
その場所は元々「ハイパーク」や「パークヒル」と呼ばれていて、パイランドパークの名前の由来もこの地名からつけられました。
蒸留所のある位置は北緯59度。
スコットランドで現在ウイスキーを造っている蒸留所の中では、最北の蒸留所です。
ただ今さらに北部のシェットランド諸島で新しく蒸留所が完成し、ジンなどの製造が行われるそう。
サクサヴォードというその蒸留所は、いずれウイスキーの蒸留も行う予定だそうです。
現在、スコットランド最北の蒸留所でフロアモルティングを行うなど昔ながらの製法に忠実な蒸留所「ハイランドパーク」
そのハイランドパークには、様々なストーリーがありました。
ハイランドパーク Highland Prakのストーリー
「伝説の密造家」に関係のある蒸留所!?
ハイランドパークの誕生は、1798年。
デイヴィット・ロバートソンが設立しました。
デイヴィットが蒸留所を建てた場所は、『伝説の密造家』と呼ばれる“マグナム・ユウンソン”の密造所があった場所だそうです。
かつてスコットランドのウイスキー業界は、イングランドからの酒税額が高く、密造するところが多かったそうです。
特に、スコットランドでもスペイサイドや本土近くの島々には密造所が多かったそう。
その中でもオークニー諸島メインランド島で密造を行っていたマグナムは、教会の長老と肉屋という表の顔を持つ密造家だったそうです。
マグナムは、教会の説教壇の下のウイスキーを隠していました。
査察団が来るという情報をつかむと、自宅に持ちかえり白い布をかぶせて天然痘患者を装ったそうです。
ある日、マグナムの自宅を急襲した視察団が見たものは……
「天然痘」で亡くなった方の葬儀の様子
マグナスは白布の頭と見られる方で熱心に聖書を読み、参加した村人たち(エキストラ)は「天然痘で死んだ」と嘆いていたそう。
こうして視察団を追い払っていたそうです。
マグナムは、悪名高くも勇敢で勤勉なオークニー人を象徴するような人だったといわれています。
そんなマグナムを逮捕したのが、ハイランドパークの創業者であり、徴税官であったデイヴィット・ロバートソン。
実は、波瀾万丈なハイランドパーク
正式な創業となった1798年。
デイヴィット・ロバートソンが設立しましたが、この時蒸留所名はしっかりと決まっていなかったそうです。
ハイランドパークは味わいの安定感とは裏腹に、実は波瀾万丈な歴史のある蒸留所です。
オーナーは何度も変わり、経営難に何度も苦しまされたそうです。
その大きな理由は、本土のブレンダーへの供給が難しかったこと。
スコットランド最北端の蒸留所である「ハイランドパーク」は、本土からのアクセスがかなり悪いです。
そのため本土への供給が難しかったことがこの蒸留所の大きな欠点でした。
勇敢なオークニーのヴァイキングのように困難を乗り越え、生き延びてきた蒸留所が、「ハイランドパーク」です。
1826年、蒸留所は、税務官であるジョン・ロバートソンが買収します。
実はジョンは、伝説の密造家マグナムを逮捕した税務官でした!!
ジョン・ロバートソンの所有となってから、「ハイランドパーク」の名をなのるようになりました。
1895年、グレンリベット蒸留所を運営していたジェームズ・グラントが買収。
グラントが生産設備を拡張し、蒸留所は大きく成長します。
当時成功を収めていたグレンリベットのノウハウが、ハイランドパーク蒸留所に吹き込まれました。
そして1937年、「フェイマスグラウス」を所有していたハイランド・ディスティラーズ(現エドリントン)社が買収。
1970年代に入ると、同社からシングルモルト生産のために多額の出資を受けます。
そして1979年初のオフィシャル「ハイランドパーク 12年」がリリース。
世界中の市場で高い評価を得ています。
現在、エドリントングループが運営、日本ではレミーコアントロー・ジャパンが販売を行っています。
ハイランドパーク Highland Prakのこだわりの製法
ハイランドパーク最大の特長は、フロアモルティングを行っていること!
なんと、週に40tもの麦芽を作っているそうです。
その麦芽の乾燥に使われるピートは、スキャパ湾を見下ろせる丘「ホービスターヒル」の独自採掘所から採ってきています。
本土のピートとは違い、フォギー、ヤフィー、モスという3層に分かれているそう。
一番深く、一番古いモスで約1万6000年前の地層だそうです。
またこのピートはアイラのクセの強いものとは違い、やや甘みを含んだスモーク香が特徴。
このピートを使い、フェノール値40~42ppmで自家ピーデット麦芽を作っています。
この自家製のピーデット麦芽とシンプソンズ社製のノンピート麦芽を使いウイスキーを仕込んでいるそうです。
ハイランドパークは、蒸留所内にあるクランティットの井戸水を仕込みに使います。
この水は、ミネラル分を含んだ中硬水だそうです。
ワンバッチ6トンの麦芽をステンレス製セミロイターのマッシュタンで糖化。
3万ℓの麦汁を得ます。
そこから木製の発酵槽で発酵させていきます。
オレゴンパインとダグラスファー製という米松製のものとサイベリアンラーチ製というカラマツ製のものがあるそう。
このサイベリアンラーチ製は、ヴァイキングがロングシップを作るときに使用していた木材なのだとか。
4基のポットスチルで蒸留、その後樽に詰められていきます。
この樽がハイランドパークもう一つのこだわりのポイント。
同じエドリントングループである「マッカラン」に並ぶほど、シェリー樽にこだわっています。
使用樽の90%以上はシェリー樽だそうです。
ハイランドパーク Highland Prakの定番リリース
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ハイランドパーク Highland Prak蒸留所データ
創業 | 1798 |
創業者 | デイヴィット・ロバートソン |
オーナー会社 | エドリントングループ |
年間生産能力(100%アルコール換算) | 約250万ℓ |
使用麦芽 | 自家製ピーデット麦芽(40~42ppm) シンプソンズ社製ノンピート麦芽 |
発酵槽 | 木製12基 |
ポットスチル | 初留釜2基、再留釜2基 |
生産区分 | スコットランド・オークニー諸島 |
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最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
ハイランドパークは、もともとかなり好きなウイスキーでしたが、僕が個人的に好きなアニメ「PSYCHO-PASSサイコパス」で登場し、ちょっと興奮した覚えがあります。(笑)
その時とはラベルデザインは変わってしまったので、今のラベルとはかなり違いがあります。
ただ、もし「PSYCHO-PASSサイコパス」を知っている人は、飲みながら捜してみてはいかがでしょうか??
それでは良いウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いします!
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