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ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のテーマは「キルケラン Kilkerran」についてです!!
「キルケラン Kilkerran」は、はちみつや甘草、そして潮風のような香りが特徴。
香り高く、ソルティで豊富なフレーバーがある典型的なキャンベルタウンモルトウイスキーです。
特に今のオフィシャルスタンダードは特にバランスがよくフレーバーに富んだウイスキー。
幅広い層で親しみやすいシングルモルト
今回は、『キルケラン Kilkerran』の特徴、ストーリー、製法を見ていこうと思います!!
「キルケラン Kilkerran」を作っている
グレンガイル Glengyle蒸留所について
キルケラン Kilkerranを作っているグレンガイル Glengyle蒸留所は、
スコットランド西側にあるキンタイア半島にある『キャンベルタウン』にあります。
現在でもスコットランドの大貴族であるクラン・キャンベルの氏族長の家系の一人、
アーガイル公キャンベルの名にちなんで町の名前が付けられました。
19世紀末まではウイスキー産業で栄えていた街。
1885年、ウイスキー研究家の”アルフレッド・バーナード”がキャンベルタウンを訪れた時には一つの街に20を超える蒸留所があったそうです。
またスコットランドを訪れていた「竹鶴政孝」がウイスキー造りを学んだ地としても有名。
竹鶴は、この街の「ヘイゼルバーン蒸留所」で研修をしていました。
そのキャンベルタウンに1872~1925年までウイスキーを生産していたグレンガイル Glengyle蒸留所。
アメリカの禁酒法や2度の大戦、「ウイスキー不況」の影響で閉鎖となりました。
ところが、2000年に再建計画始動。
2004年に生産が再開されました。
ただ「グレンガイル」という名前の使用権は、同じ町の蒸留所「グレンスコシア蒸留所」のものとなってしまったため、
商標の問題で製品名は「キルケラン Kilkerran」となっています。
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キルケラン Kilkerranはキャンベルタウンの旧名だそう。
「セント・ケアランの教会」という意味があるそうです。
キルケラン Kilkerranのストーリー
旧グレンガイル蒸留所は当時のスプリングバンク蒸留所の共同経営者”ウィリアム・ミッチェル”が1872年に誕生させました。
スプリングバンク蒸留所の経営者であった兄と飼っていた羊のことでもめ、独立したのだとか……。
建設理由が、「そんなことで!?」って感じですよね!(笑)
当時のキャンベルタウンモルトは作れば売れる。
蒸留所を持ってしまえば、豪華な暮らしができる。
そういったご時世だったといわれています。
ただ栄華を極めたキャンベルタウンモルトに陰りが見え始めます。。
20世紀に入り、様々な要因がキャンベルタウンのウイスキーにストップをかけました。
その要因は……
- 1900年以降から始まった「ウイスキー不況」。
- 1920年に施行されたアメリカの禁酒法。
- そして、2度の大戦。
19世紀後半からウイスキー界に「ブレンデッドウイスキー」のビックウェーブが来ていました。
ところが!!
- 1900年大手ウイスキーブレンデッド会社の「不正」。
- モルトウイスキー蒸留所ができすぎたことによる供給過多。
によってウイスキーは「不況」となってしまいます。
これにより、スコットランド中の多くの蒸留所が閉鎖に追い込まれました。
そんな中に施行されたアメリカン禁酒法。
世界で『最も高貴な実験』といわれた法律で、アメリカのみならず多くの国に影響を及ぼしました。
アメリカでは、ギャングが暗躍。
密造酒や密輸入のお酒が横行し、一説によると禁酒法施行前よりアルコールが飲まれていたといわれています。
そんな中、キャンベルタウンのモルトウイスキーは、「ニセモノ」が横行してしまいます。
粗悪なお酒に「キャンベルタウンモルト」と謳ったラベルが張られてしまったそう。
キャンベルタウンのモルトウイスキーは「粗悪なお酒」というイメージがついてしまいました。
さらに2度の大戦による疲弊。
全盛期には30以上もの蒸留所があったキャンベルタウンは、
第二次大戦後にはスプリングバンクとグレンスコシアのみとなってしまいました。
そう、飼っていた羊でもめて独立した「グレンガイル」蒸留所は、キャンベルタウンの荒波に飲まれてしまいました。
1925年、グレンガイル蒸留所、閉鎖。
蒸留所に残った原酒はすべてオークションにかけられ、売られていたそう。
さらに蒸留設備はすべて取り外されました。
もう二度と復活することはないかと思われていたのではないでしょうか。
その間に「グレンスコシア蒸留所」が所有しているブレンダー会社が「グレンガイル」の名を買収。
「グレンガイル」という名の所有権は「グレンスコシア蒸留所」が握ることとなります。
その後幾度となく再建計画は話題に上がりましたが、頓挫。
ところが!!
現スプリングバンク蒸留所オーナーのヘドラー・ミッチェルが「グレンガイル」跡地を買い戻し、
再建計画が進んでいきます!!
蒸留設備は、一部新調、一部を閉鎖蒸留所(グレンウィヴィスなど)の中古品を調達し、2004年に生産再開しました!!
ただし!!
「グレンガイル」の名を買い戻すことはできなかったそう。
そのため、「キルケラン」の名でリリースされることとなりました!!
毎年美味しくなっていく「キルケラン」。
今では、ほかのキャンベルタウンモルトとそん色ない味わいです!!
キルケラン Kilkerranのこだわりの製法
キルケランの麦芽は、スプリングバンク蒸留所で製麦されたもの。
スプリングバンクは、スプリングバンク、ヘイゼルバーン、ロングロウと3タイプのウイスキーのために麦芽を作り分けています。
その中でも、キルケランのスタンダードはスプリングバンクと同じフェノール値15ppmだそうです。
その麦芽をクライゲラキで使われていた中古の粉砕機で粉砕。
新調した糖化槽とカラマツ製の発酵槽でモロミを造り、
グレンウィヴィスで使われていたポットスチルで蒸留していきます。
蒸留回数は、ロングロウと同じ2回蒸留です!
そして、バーボン樽とシェリー樽で原酒を熟成。
現在スタンダードとなっている「キルケラン 12年」は、バーボン樽熟成の原酒を70%、シェリー樽熟成の原酒を30%使用しているそうです。
キルケラン Kilkerranの定番リリース
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キルケラン Kilkerran蒸留所データ
創業 | 1872年(旧) |
創業者 | ウィリアム・ミッチェル |
オーナー会社 | J&Aミッチェル社 |
仕込み水 | クロスヒル湖の水 |
年間生産能力(100%アルコール換算) | 約75万ℓ |
麦芽 | スプリングバンクで製麦した15ppmのピート麦芽 |
発酵槽 | カラ松製4基 |
ポットスチル | 初留釜1基、再留釜1基 |
生産区分 | スコットランド キャンベルタウン |
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
面白いストーリーのあるグレンガイル蒸留所!
ただ今、このグレンガイル蒸留所のキルケランはスタンダードの12年ものもなかなか手に入らないようです。
一応楽天やAmazonにはありましたが、値段は高くなっています。
落ち着いた価格になったらまた再び楽しみたいですね!
それでは良いウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いします!
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