シングルモルトからブレンデッドウイスキー、バーボンウイスキーなど
数多あるウイスキーの種類。
その種類も作れらているウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーの2つのタイプに分けることができます。
モルトウイスキーは、大麦麦芽(モルト)100%で作られるウイスキーのことを言います。
対してグレーンウイスキーはモルト以外の穀物も使用したウイスキー。
この2つは原料が違うわけですが、それ以外にも様々な違いがあります。
今回は、その違いを徹底的に解説していこうと思います。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーの違い
モルトウイスキーとグレーンウイスキ―の違いは、モルトが100%かその他の穀物も使用しているかの違いだと書きました。
ところが、細かく見ていくと例外になるウイスキーもたくさんあります。
まずは、モルトウイスキーとグレーンウイスキ―、それぞれをおさらいしていきましょう。
モルトウイスキーとは?
モルトウイスキーとは、大麦麦芽100%で作られたウイスキーですが、それはスコットランドやアイルランドの定義に限った話です。
日本やカナダ、アメリカの「シングルモルトウイスキー」もモルト100%と決まっていますが、アメリカで単に「モルトウイスキー」という場合は少し違います。
アメリカでは、51%以上大麦麦芽(モルト)が使用されていればモルトウイスキーと名乗ることができます。
基本は、モルトウイスキーといえば大麦麦芽100%のウイスキーですが、例外もあるということです。
- 大麦麦芽(モルト)100%
- ポットスチルで蒸留
※アメリカや日本の一部銘柄では例外アリ
グレーンウイスキーとは?
グレーンウイスキーは大麦麦芽以外の穀物も使用したウイスキーのことです。
主に使われる原料はトウモロコシや未発芽の大麦。
大麦麦芽(モルト)も糖化剤として使用されますが、その量は半分以下です。
モルトは水につけてから発芽させ、再び乾燥させるため手間もお金もかかるため、モルトウイスキーは原価が高いです。
ところが、未発芽の大麦やトウモロコシなどを使用すれば原価をおさえることができます。
さらにポットスチルのように単式蒸留では大量にウイスキーを作ることは難しいですが、パイプラインで連続的に蒸留できる連続式蒸留機なら大量生産が可能です。
そのためグレーンウイスキーはモルトウイスキーと比較すると原価が安く仕上げることができます。
グレーンウイスキーはブレンデッドウイスキー用に使われることが多く、味わいから価格までバランスを保つ役割で使われます。
- モルト以外の穀物も使用
- 連続式蒸留機で蒸留
大きな違いは3つ
モルトウイスキーとグレーンウイスキ―の大きな違いは、3つあります。
- 原料
- 蒸留器
- 用途
それぞれ解説していこうと思います。
`原料の違い
何度も書いているように、モルトウイスキーとグレーンウイスキ―の最も大きい違いは、原料です。
モルトウイスキーは、大麦麦芽(モルト)100%のウイスキー。
グレーンウイスキーはモルト以外の穀物も使用したウイスキー。
モルトは大麦を発芽させたもので、モルトを使う理由は3つあります。
- お酒造りの原料となるでんぷんを多く含んでいる
- でんぷんを糖に変える「酵素」が活性化されている
- 乾燥時にピートのスモーキーフレーバーなど個性的な香り・味わいがある
モルトは、日本酒なら「米(でんぷん)」と「麹(糖化酵素)」が担う役割を1つでまかなうことができる優れもの。
さらに、水につけて発芽させ乾燥させるときにピートによるスモーキーフレーバーを付与することがあります。
そのスモーキーフレーバーは、ウイスキーの唯一無二の個性です。
反対にモルト以外の穀物を使用するメリットは……
- 原材料費が安くなる
- 大量生産ができる
- モルトにはない個性を生み出すことができる
グレーンは主に、トウモロコシや未発芽の大麦が使われます。
とうもろこしは大麦より安いことが多いです。また未発芽の大麦もモルトに加工しない分、原材料費が安く済みます。
またバーボンやライウイスキーなどが顕著ですが、モルトにはない個性を生み出すことができます。
例えば……
- とうもろこしが多い……まったりとした甘み
- ライ麦が多い……スパイシーでオイリーな印象
- 小麦が多い……マイルドさ
などなど
よくグレーンウイスキーは個性の乏しいウイスキーと書かれていることが多いですが、蒸留時のアルコール度数を調節することで原料由来の個性を残していることもあります。
蒸留器の違い
モルトウイスキーとグレーンウイスキ―の違いは、原料以外にも蒸留器の違いもあります。
モルトウイスキーは、スコットランドの定義に当てはめるとポットスチルで蒸留したものしか呼ぶことができません。
他の国でも「シングルモルトウイスキー」はポットスチルで作られています。
もしスコットランドで、モルト100%だけど連続式蒸留機でウイスキーをつくったら、「グレーンウイスキ―」と表記しないといけません。
モルト以外の穀物をつかってポットスチルで蒸留しても、グレーンウイスキー。
ただ、アメリカや日本の場合は連続式蒸留機を使ってもモルトウイスキーと名乗れてしまうのでそこがややこしいところかなと思います。
用途の違い
モルトウイスキーとグレーンウイスキーは、用途も少し違います。
多彩な個性があるモルトウイスキー。
モルトウイスキーはその多彩さを生かして、ブレンデッドウイスキーの核からアクセントまでさまざまな役割を担っています。
対してグレーンウイスキーは、基本的には個性を抑えたものがブレンデッドウイスキーに使われることが多いです。
主にベース・キャンバス・出汁のような下地として使われます。
そのため、主に使われる樽も違います。
モルトウイスキーでは、バーボン樽やシェリー樽などほかのお酒が入っていた樽が使われることが多いです。
対してグレーンウイスキーは、何回も使われて樽材成分が出にくくなった「プレーンカスク」がよく使われます。
ただ、中には個性的なグレーンウイスキ―をブレンドに使うケースはあります。
例えば、バーボンウイスキーをグレーンウイスキ―としてブレンドしたブレンデッドウイスキー。
中にはおいしい銘柄もありますが、個性が強すぎてなかなかバランスをとるのが難しいかなといった印象です。
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
今回は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーの違いを書いていきました。
ただ今回書いたことは、この2つの違いにフォーカスした内容なので、一つ一つ見ていくともっと深い世界です。
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ぜひより深くウイスキーを楽しんでみてください!
それではよいウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いいたします。
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