本日もお越し頂きありがとうございます!!
ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のお話は、
「オーバン蒸留所」
についてです!!
「オーバン Oban」は、やや潮感がありスパイシーで甘みとハーブのような印象が特徴。
UD社(現ディアジオ)がリリースしているクラシックモルトシリーズの西ハイランド代表のウイスキーです。
今回は、『オーバン』蒸留所の特徴、ストーリー、製法を見ていこうと思います!!
オーバン蒸留所について
オーバン蒸留所は、スコットランドの西海岸にあるモルトウイスキー蒸留所です。
ちょうどキンタイア半島の付け根といったところにあり、海を挟んで反対側はヘブリディーズ諸島という港町に建っています。
もともとオーバンは「小さな港」という意味。
小さな港町の名前がそのまま蒸留所名・ブランド名となりました。
小さな漁村の港町が、オーバン蒸留所とともに発展し今では「ヘブリディーズ諸島の玄関口」として観光客に人気となっています。
オーバン蒸留所は町の中心部にあり、背後に崖があるそう。
そのため蒸留所の拡大はできず、世界最大のウイスキーメーカー”ディアジオ”の持っている蒸留所の中では最小規模の蒸留所だそうです。
生産能力は87万ℓ。ディアジオ社傘下の蒸留所の中ではロイヤルロッホナガー蒸留所に次ぐ小ささとなっています。
オーバン蒸留所の特徴は、ディアジオ社の持っている28か所のスコッチモルト蒸留所の中で唯一シングルモルトウイスキーだけを作っていること。
ディアジオ社のほかのモルトウイスキー蒸留所は、必ず何かのブレンデッドウイスキーの原酒に使われています。
オーバンも昔はデュワーズやブキャナンなどのブレンデッドウイスキーに使われていました。
ところがクラシックモルトシリーズの一つとなり、シングルモルトとしてのオーバンが人気となります。
結果、小さい蒸留所ではすべての生産をシングルモルト用にしないとまかなえなくなってしまいました。
そのため、シングルモルトウイスキーだけ作る蒸留所となったそうです。
オーバンのストーリー
オーバン蒸留所は、1794年に設立。
スチーブンソン兄弟が創業しました。
早くから製造免許も取得しており、オーバン蒸留所はスコッチランド最古の蒸留所の一つとなっています。
そんなオーバン蒸留所の創業者スチーブンソン兄弟はウイスキー蒸留所のだけでなく、造船業や鉱業なども幅広く行いました。
結果、オーバンの町には活気が出てきました。
今では、西ハイランドのリゾートタウンとまで言われているオーバン。
その発展は、オーバン蒸留所とスチーブンソン兄弟の功績が大きいそうです。
そんなオーバン蒸留所は、前記したように立地的に拡張が難しい蒸留所です。
なので昔から小さい蒸留所のままだったそうです。
ところが小さい蒸留所だったからこそウイスキー過多から生じたウイスキー不況の際も操業停止を強いられることはありませんでした。
オーナーが変わることはあっても、設立時からほぼ休みなく稼働してきた数少ない蒸留所となっています。
そんなオーバンは、UD社の所有となり1987年にクラシックモルトシリーズに抜擢。
一躍シングルモルトとして人気となり、今ではスコッチシングルモルトウイスキーの中でウイスキーファンから特に支持されている一本となっています。
なぜオーバンがクラシックモルトシリーズに??
クラシックモルトシリーズは、UD社(現ディアジオ)がリリースしたシングルモルトウイスキーシリーズ。
スコッチウイスキーの各産地をピックアップし、その特徴的なウイスキーをまとめたシリーズとなっています。
スコッチウイスキーの生産区分は、6つ
選ばれているウイスキーは……
- ダルウィニー 15年(北ハイランド)
- オーバン 14年(西ハイランド)
- クラガンモア 12年(スペイサイド)
- ラガヴーリン 16年(アイラ)
- タリスカー 10年(アイランズ)
- グレンキンチー 12年(ローランド)
です。
なぜキャンベルタウンがなく、ハイランドが2つのあるのでしょうか。
その理由は、実はキャンベルタウンにはディアジオ社となった現在でも所有している蒸留所がないからだそうです。
そしてキャンベルタウンのあるキンタイア半島の付け根にあり、キャンベルタウンモルトのような潮感も楽しめるオーバン 14年がその代わりとして選ばれました。
実際オーバンはハイランドモルトとアイランズモルトの特徴を有し、キャンベルタウンモルトに近いニュアンスがあります。
他のハイランドモルトとは一線を画した存在だからこそクラシックモルトシリーズに選ばれ、不動の地位を築いたのかもしれないですね。
オーバンのこだわりの製法
オーバン蒸留所では一回の仕込みに7トンの麦芽を使用します。
スコッチモルト蒸留所の中ではかなり多い方です。
その麦芽は、ライトピーデットの麦芽となっています。
糖化槽はステンレス製。
4基の木製の発酵槽で発酵させます。発酵時間は110時間ほどとやや長めです。
そしてランタンヘッドのポットスチルで蒸留されます。
このポットスチルは小さいサイズのものですが、オーバン蒸留所には初留釜と再留釜一つずつしかありません。
これもオーバン蒸留所自体に拡張できるスペースがないからだとか。
オーバンで作られているウイスキーはすべてシングルモルト用。
そのオーバンのスタンダートボトルが14年の理由は、熟成のピークを追求した結果だそう。
14年熟成がオーバンの原酒にとってピークだったそうで、スタンダードボトルにそのこだわりを詰め込んでいます。
オーバンの定番リリース
オーバン蒸留所のスタンダードボトルはオーバン14年です。
他にもリトルベイやダブルマチュアードのディスティラリーエディションやディアジオのスペシャルエディションなどがリリースされています。
ただあまりリリースしている数が少なく、基本入手可能なのはオーバン14年ぐらいです。
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オーバン蒸留所データ
創業 | 1794年 |
創業者 | スチーブンソン兄弟 |
オーナー会社 | ディアジオ社 |
仕込み水 | グレネベリー湖 |
年間生産能力(100%アルコール換算) | 87万ℓ |
蒸留器 | 初留1基 再留1基 (ランタンヘッド型) |
生産区分 | スコットランド 西ハイランド |
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
オーバン蒸留所は、スコットランドの中でも小さい蒸留所ながらオーバンのブランドは大きな力を持っています。
特にウイスキーが好きになったらぜひ飲んでほしい一本です。
ただ問題はスタンダードボトルですら、一本6000~8000円ほどしてしまうこと。
なかなか手が出しにくいスコッチウイスキーだと思います。
オーセンティックバーなどにはオーバンは大体おいてあるので、一本は難しい方はバーで飲んでみてください!
深みがあり、納得の味わいだと思います!
それでは良いウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いします!
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