本日もお越し頂きありがとうございます。
ウイスキーを愛する料理人yaffeeです!
今回のお話は
「バーボンウイスキーとは?」
について
ウイスキーの一種であるバーボンウイスキー。
スコッチウイスキーと並び立つほど有名なウイスキーだと思いますが、意外と知らないこと多いと思います。
このように言われることも結構あります。
残念ながら「バーボン」は名前ほどその内容はあまり認知されていません。
ウイスキー好き以外からしたらバーボンウイスキーは、映画などでかっこよく飲まれているお酒程度ではないでしょうか。
なので今回はバーボンウイスキーについて僕なりに徹底解説していこうと思います!!
バーボンウイスキーとは?
バーボンウイスキーとは、アメリカで作られているアメリカンウイスキーの一種。
スコットランドで作られているウイスキーがスコッチウイスキーというので、スコッチウイスキーとは主に産地が違うことになります。
[sitecard subtitle=スコッチとは? url=https://www.yaffee.work/entry/scotchwhisky-setumei target=_blank]
バーボンウイスキーは、広いアメリカの中でもケンタッキー州で多く作られています。
ただバーボンウイスキーについて多くの方が勘違いしているのが……
ケンタッキー州で作られたウイスキー=バーボンウイスキーだと思っていること。
確かにバーボンウイスキーの「バーボン」の語源は、ケンタッキー州にあるバーボン郡といわれています。
バーボンとはもともとフランス王家ブルボン朝の英語読みだそう。
バーボン郡の川からミシシッピ川やオハイオ川に下り、ニューオリンズやルイジアナなどにウイスキーが運ばれていたそうです。
その樽には、「バーボン」の刻印があったそうです。
「バーボンと刻印された樽に入っているウイスキー」からバーボンウイスキーと名付けられたのだとか。
ところが、バーボンウイスキーはアメリカのどこで作ってもバーボンウイスキーと呼ぶことができます。
ではバーボンウイスキーとはいったいどういうウイスキーなのでしょうか?
ハッキリと定義が決まっているので、その定義から説明しようと思います。
[sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https://www.yaffee.work/entry/bourbon-whiskey target=_blank]
バーボンウイスキーの定義
- 原料の51%以上はトウモロコシ
- アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
- 内側を焦がしたオーク製の新樽で熟成させること
- 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
- 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの
バーボンウイスキーは、トウモロコシが主原料となっています。
原料の51%以上はトウモロコシを使用していることが義務となっていて、51%以下のウイスキーは「バーボンウイスキー」と名乗ることができません。
逆を言うと49%は別の穀物を使うことができます。
その49%のうちどの穀物を使用するかによってバーボンの個性は変わってきます。
また蒸留するときのアルコール度数の上限があるのは、原料由来の個性を残すためです。
蒸留酒は、蒸留するときのアルコール度数が低い方が原料由来の個性が残りやすいといわれています。
ただ低すぎるとうまく熟成できなくなったりするので、大体60~70%ぐらいで蒸留するところが多いです。
また、バーボンウイスキーは内側を焦がした新樽を使用するのが義務。
木材は、焦がすことでその香りや味わいがウイスキーによく出るようになります。
また新しい樽だと樽材成分も多いので、ウイスキーに大きな影響を及ぼします。
バーボンウイスキーでは、樽のニュアンスが最も出やすい内側を焦がした新樽を使うことがマストです。
この話は、YUI Whiskyさんとのインタビュー記事で知りました。
バーボンウイスキーは、新樽を使う分スコッチウイスキーのように着色のためのカラメル添加は禁止となっています。
そのため、ボトリングの際は水以外の添加は禁止です。
[sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https://www.yaffee.work/entry/no-color-whisky target=_blank]
このように詳しい定義があるバーボンウイスキー。
そんなバーボンウイスキーは、どうやって作られているのでしょうか。
詳しく書いていこうと思います。
バーボンウイスキーの作り方
バーボンウイスキーの作り方は、大きく5つの工程に分けることができます。
- 糖化
- 発酵
- 蒸留
- 熟成
- 瓶詰
バーボンウイスキーの原料
まず、バーボンウイスキーと名乗るためには、トウモロコシを51%使わなくてはいけません。
この時のトウモロコシは、デントコーンという品種のトウモロコシがほとんど。
皆さんが良く食べているトウモロコシは、スウィートコーンという品種です。
ウイスキー用に使われているトウモロコシとは、大きく異なります。
より詳しくウイスキーの原料について知りたい方はこのボタンをクリック
多くの蒸留所では、トウモロコシが60~70%程度使用し、ライ麦と大麦麦芽を使う銘柄が多いです。
この穀物の使用比率のことをマッシュビルといいます。
マッシュビルの違いこそ、一番最初にバーボンウイスキーの個性を決めるポイントです。
この時にトウモロコシの比率が多いと、まったりとした甘み・まろやかな舌触りとなることが多いです。
対して、ライ麦を多く使うと、スパイシーなニュアンス・野性味を感じる・ドライ・オイリーなどの印象を与えることが多くなります。
そして中には、ライ麦の代わりに小麦を使う蒸留所もあります。
小麦を使うと、マイルド・ソフトな舌触りとなることが多いです。
またマッシュビルに必ず入る大麦麦芽は、「味」よりは「糖化剤」としての要因です。
大麦麦芽は、でんぷんやたんぱく質などを糖やアミノ酸に分解する酵素を持っています。
この酵素を使ってでんぷんやたんぱく質などを分解し、甘い麦汁を作ることを糖化といいます。
バーボンウイスキーでは、大麦麦芽でほかの穀物を糖化させます。
この時に使われるのは、六条大麦という酵素力の強い大麦が使われます。
[sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https://www.yaffee.work/entry/malt-whisky target=_blank]
バーボンウイスキーの糖化工程
スコッチのモルトウイスキーでは、そのまま麦芽を粉砕し温水を加えることで糖化させています。
ところが、バーボンウイスキーではトウモロコシやライ麦など様々な穀物が入ります。
発芽させていない穀物は溶けの良くない状態だそうです。
ウイスキーやビールなど穀物を原料にお酒を造るとき、麦汁という穀物の甘いジュースを作らないといけません。
穀物の甘いジュースを得るために、穀物の成分を水に抽出させます。その時に重要になるのが溶けの良さ。
大麦は発芽させると様々な酵素を作りますが、その中に細胞壁分解酵素も生成されます。
この細胞壁分解酵素が、穀物の硬い細胞を分解し水にでんぷんやたんぱく質、酵素などを抽出しやすくしてくれます。
ただ発芽させていない穀物は、硬い細胞壁に守られてうまく成分を抽出できないそうです。
このように成分をうまく抽出できない状態を「溶けの良くない」「溶けが悪い」といいます。
溶けが良くない大麦麦芽以外の穀物は「クッカー」という巨大な鍋のようなもので煮て溶けのいい状態にします。
大麦麦芽以外の穀物を使うバーボンウイスキーでは、クッカーを使ったクッキング(穀物を煮る作業)を行う必要があるのです。
この時に、「サマーマッシュ方式」という製法が行われます。
- 酵素や酵母が働きやすくする
- 雑菌が繁殖しにくい環境にする
効果があるそうです。
今では、サワーマッシュ方式を行わない蒸留所の方が少ないほどバーボンではよく行われる製法となっています。
糖化時だけ加える蒸留所もあれば、発酵前にも加える蒸留所もあるそうです。
バーボンウイスキーの発酵工程
バーボンウイスキーの発酵槽は、ステンレスがメイン。
ところが、中には木製の発酵槽にこだわっている蒸留所があります。
ウッドフォードリザーブ、メーカーズマーク、フォアローゼズが木製の発酵槽で作っている蒸留所の筆頭。
糖化工程の時の行っていたサワーマッシュ方式を発酵工程でも行う蒸留所もあります。
その目的は、3つ
- pH を下げる(酸性にする)
- 雑菌の繁殖を防ぐ
- 酒質の均質化
バーボンウイスキーの発酵工程の大きな特徴は、酵母へのこだわりです。
酵母がウイスキーの味わいに与える影響は想像以上に大きいですが、スコッチウイスキーでは今まであまり酵母に注目されることはありませんでした。
最近になって酵母が注目され始めましたが、バーボンウイスキーではかなり前から酵母へのこだわりが強かったそうです。
蒸留所で酵母を自家培養している所がほとんどです。
あくまでも僕の考えですが、僕の中で一つの仮説があります。
スコッチウイスキーに酵母へのこだわりが薄くバーボンウイスキーに酵母へのこだわりが強いのは、ビール醸造所が関係しているのではないでしょうか。
スコッチウイスキーでは、もともとエールビール醸造所の余剰酵母を使ってウイスキーを作っていた時代があります。
対して、バーボンウイスキーが造れている地域はエールビールが盛んな地域ではないので、醸造所からの余剰酵母がもらえなかったのではないでしょうか。
そのためウイスキーのための酵母を培養する文化が発達したのではないかと思います。
また歴史的にもバーボンウイスキーは、スコッチやアイリッシュのようにビールが作られていた場所でウイスキーが誕生していったわけではないです。
アメリカでは、ウイスキー造りの技術はスコットランド人やアイルランド人から持ち込まれました。
そのためウイスキーを作るために酵母を培養する技術も発達したのだと思います。
大体バーボンウイスキーの発酵工程は、3~6日ほど。
アルコール度数は8~10%とスコッチモルトウイスキーと同じぐらい発酵させます。
[sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https://www.yaffee.work/entry/yeast-whisky target=_blank]
バーボンウイスキーの蒸留工程
バーボンウイスキーは、主にグレーンウイスキ―と同じように連続式蒸留機で行われます。
ビアスチルと呼ばれる円柱状のスチルとダブラーという精留装置の1セットを使用して蒸留されます。
アルコール度数は大体65~70%程度で蒸留します。
この蒸留時のアルコール度数こそ、バーボンウイスキーの味わいを紐解くポイントの一つ。
バーボンウイスキーのリッチでパワフルな味わいは、アルコール度数を低く蒸留するので香味成分が多く残すのも一つの要因だと思います。
ただ、バーボンウイスキーには必ずしも連続式蒸留機で蒸留しなくてはいけないというルールはありません。
なのでウッドフォードリザーブのように単式蒸留器で蒸留するところもあります。
[sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https://www.yaffee.work/entry/whisky-still target=_blank]
バーボンウイスキーの熟成工程
バーボンウイスキーがほかの世界5大ウイスキーと大きく違う点は、新樽を使わなくてはいけないことです。
バーボンウイスキーの定義に内側を焦がした新樽を使うことが義務となっています。
内側を焦がした新樽が、バーボンウイスキー特有のウッディさと力強さを生み出しています。
バーボンウイスキーに使われる樽材は基本アメリカンホワイトオーク。
バレルと呼ばれる200ℓの容量の木樽が使われます。
[sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https://www.yaffee.work/entry/cask-whisky target=_blank]
アメリカンホワイトオークで作られたバレルに、アルコール度数62.5%以下まで落として樽詰めを行います。
この樽詰め時のアルコール度数(バレルエントリー)は蒸留所ごと独自のこだわりを持っています。
樽に詰めたウイスキーは、ラック式に近いオープンリック式の熟成庫で熟成されます。
オープンリック式で熟成を行うと、上の段と下の段で熟成が大きく異なります。
下段は温度が低く、周りも蒸散した水分が多くなるのでアルコールの方が蒸散しやすくなります。
すると熟成が進むとアルコール度数が下がっていく傾向があるそうです。
対して、上段は気化したアルコールも水より軽いので上に溜まりやすくなります。また温度も高いので水分の方が気化しやすくなるそう。
すると熟成が進むごとにアルコール度数が上がっていく傾向があるそうです。
蒸留所によって、この違いをあえて利用するところもあれば、違いが起きにくいように上下を入れ替えて熟成させるところもあります。
バーボンウイスキーの瓶詰工程
バーボンウイスキーのボトリング工程では、スコッチウイスキーとは大きく異なる点があります。
それは、着色のためのカラメルが添加できないこと。
ウイスキーは、樽が変われば味わいも色合いも大きく変わります。
その差をなくすためにブレンドを行います。
ブレンドは、たとえシングルモルトでも行われています。
シングルモルトの場合、一つの蒸留所のモルト原酒のみをブレンドしたものです。
ただブレンドをして同じ味に仕上げたとしても、色合いが変わってしまうこともあるそう。
その調節のために着色が行われるわけです。
ただバーボンウイスキーの場合、着色が禁止されています。
なぜバーボンウイスキーは禁止されているのでしょうか?
あくまで僕の考えですが、バーボンウイスキーはそもそも着色する必要がないからではないでしょうか?
バーボンウイスキーは、内側を焦がした新樽で熟成させなくていけません。
内側を焦がした新樽は樽材成分が良く出てきます。
味や香りはもちろん色合いも強くなりがちです。
つまり短期間の熟成でもそこそこの色は出るはずです!
そうなるとわざわざカラメルを添加して色の調節をする必要がないと思います。
また「内側を焦がした新樽」の使用義務があるので、色の加減で熟成度合や樽の焦がし加減などを大雑把に確認することができます。
実は、バーボンウイスキーには熟成期間の決まりはありません。
バーボンウイスキーは、1日でも数時間でも「熟成」させていればバーボンウイスキーと名乗ることができます。
ただしその場合、熟成年数を表記しなくてはいけません。
4年以上熟成させると年数表記の義務がなくなります。
また2年以上熟成させたバーボンウイスキーは、ストレートバーボンウイスキーといいます。
バーボンウイスキーはグレーンウイスキーに近い製法で作られています。
ただ細かいこだわりと独特の製法によってバーボンウイスキー独特の力強い味わいは生まれています。
バーボンウイスキーの特徴
バーボンウイスキーは、ウイスキーの中ではパワフルで力強いことが特徴です。
特に内側を焦がした新樽を使っているので、樽由来のアロマ・フレーバーが強く出ています。
リッチなフレーバーのものが多かったり、木の香り・ウッディなニュアンスが強かったり、まったりとした甘みが楽しめたり……。
バーボンウイスキーは、スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーでは得られない独特のアロマ・フレーバーが楽しめます。
独特なアロマ・フレーバーが得られるのも、主原料がトウモロコシだったり新樽の使用したり、スコッチやアイリッシュなどとは異なる独特の製法からだと思います。
バーボンウイスキーの楽しみ方
バーボンウイスキーは、まったりとした甘みや力強い味わいが特徴。
飲み方は自由ですが、比較的ロックでまったりと楽しむのに向いているフルボディな銘柄が多いです。
どちらかというと食後酒向きの銘柄が多く、味も香りも強めなのでどちらかというと次の一杯や最後の一杯の方がいいかもしれません。
ライトなアイリッシュやカナディアン、繊細なジャパニーズウイスキーよりも前に飲むとアロマやフレーバーがわかりにくくなってしまいます。
2杯目・3杯目や締めの一杯などにバーボンウイスキーを嗜む方がおすすめです!
バーボンウイスキーの選び方
バーボンウイスキーにも、様々な銘柄があります。
いざ酒屋さんに行ってバーボンウイスキーを選ぼうと思ってもなかなか何がいいのかわからないと思います。
そこでバーボンウイスキーを選ぶときのポイントをまとめてみました。
- 価格帯に注目
- マッシュビルに注目
- 色に注目
価格帯に注目
バーボンウイスキーでもほかのウイスキーと同様に価格帯で大体の特徴が変わってきます。
比較的リーズナブルなボトルは万人受けしやすいタイプが多いです。
対して価格が高いボトルの方がマニア向けのことの方が多く、深くリッチでアルコール度数の高い傾向があります。
慣れていないうちから高いハイアルコールのウイスキーを飲んでも、アルコールの刺激が強く感じてしまうこともしばしば。
様々なウイスキー銘柄を飲んでからちょっと高いバーボンウイスキーも嗜んでみようという方ならいいと思います。
ただウイスキーに慣れていないうちからハイアルコールのバーボンウイスキーを買ってしまうとそのポテンシャルを楽しむことはなかなかできないです。
そもそもバーボン自体が苦手なこともあるので、初めての方は高くても2000円~4000円台のバーボンウイスキーにした方がいいでしょう。
マッシュビルに注目
バーボンウイスキーは、マッシュビル(穀物の比率)に注目すると味わいの違いが分かりやすいです。
例えば……
- ライ麦が多いとドライでスパイシー。
- コーンが多いとまったりと甘みがある。
- 小麦を使っているとマイルド。
などなど
調べてみると出てくるので、ちょっとマニアックですがバーボンウイスキーを選ぶときマッシュビル(穀物の比率)に注目してみてください!
色に注目
バーボンウイスキーは、カラメルの添加による着色は禁止されています。
そのため、透明がボトルならばある程度色で味わいを判断することができます。
色の濃い方が香りや味わいも濃い傾向があります。
透明なボトルでないとうまく判断できないですが、ウイスキーの色で判断してみるのもいいかと思います。
おすすめのバーボンウイスキー 5選
[afTag id=2646]
[afTag id=2644]
[afTag id=4911]
[afTag id=1593]
[afTag id=8439]
最後に……
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか。
今回はバーボンウイスキーについてまとめてみました。
バーボンウイスキーには、バーボンウイスキーの魅力があります。
ぜひ様々なウイスキーを楽しんでいただけたらと思います。
それでは良いウイスキーライフを
また次回もよろしくお願いいたします。
この記事が面白かったと思った方は、人気ブログランキングへの応援をよろしくお願いいたします。
また、公式ラインページにて記事の更新情報
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] アメリカのケンタッキー州で造られている小さな蒸留所のプレミアムバーボンウイスキー […]