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どんな逆境に追い込まれても、力強く生きたいと思うウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回は「グレンロセス Glenrothes」についてです!!
かわいらしい丸いボトルのグレンロセス。
バニラや紅茶、焼き菓子といったフレーバーが特徴で、甘い香りに複雑な味わい。
ボトルデザインからも、女性人気が高いように感じます。
原酒が高品質なことから、ブレンデッドウイスキー業者から特に支持されているモルトウイスキーです。
生産しているウイスキーの約95%はブレンデッドウイスキー用。
残り5%がシングルモルト用です。
「カティーサーク」や「フェイマスグラウス」など有名ブレンデッドウイスキーにも原酒提供しています。
そしてグレンロセスは、「カティーサーク」や「フェイマスグラウス」の味を決める大切なキーモルトの一つです。
今回はそのモルト蒸留所「グレンロセス」について蒸留所のストーリーや特徴、製法やラインナップなどを深堀していこうと思います!!
グレンロセス Glenrothes蒸留所について
スコッチウイスキーの聖地“スペイサイド”の中でも、多くの蒸留所があるローゼス(Rothes)地区。
ウイスキーの街として有名なダフタウンに次ぐウイスキーの街といわれています。
グレンロセス Glenrothesは、そんなローゼス地区の名前(「ローゼス川の谷」という意味)を冠した蒸留所です。
丸みのあるボトルに、手書き風の文字が特徴のオフィシャルボトル。
蒸留所が使う「サンプルボトル」をコンセプトにデザインされたボトルだそうです。
過去には「ヴィンテージ表記」でのリリースがメインでしたが、今では熟成年数表記がメインに変わっています。
コアファンからヴィンテージ表記は人気でしたが、それ以外の人たちにはなかなかわかりにくかったからかなと思います。
グレンロセス Glenrothesのストーリー
グレンロセスは、1878年創業。
マッカラン蒸留所のジェームズ・スチュアートと地元銀行による合弁事業として計画がスタートしましたそう。
ところが!!
不運なことに蒸留所が竣工前に、資金援助を受けていた地元銀行が倒産。
蒸留所建設計画が頓挫しかけたそうです。
計画より大幅に事業を縮小して何とかオープンできたグレンロセス。
しかし、グレンロセスの不運は長いこと続くことになります。
とにかく火事が多かったそう。
蒸留所自体、高アルコールと火を扱う工場です。
そのため火事が多いのですが、それでもグレンロセスは多い!!
しかも、増設工事後や熟成中の大量の原酒を失う熟成庫の出火、爆発事故などなど、結構ダメージの大きい火事ばかりです。
そんな苦難の歴史が多いグレンロセス蒸留所が今まで生き残っていること不思議ではないですか??
その理由は『純粋にモルトの質がいいから』!!
モルト原酒が高品質なので、多くのブレンダー(ブレンデッド業者)から支持されていました。
その中には、当時アメリカで絶大な人気を誇っていた「カティーサーク」や地元スコットランドで愛されている「フェイマスグラウス」などビックブランドも多数。
ビックブランドの原酒として使われることの多かったグレンロセス。
シングルモルトのリリースは、期待できないものと考えられていました。
ところが、1987年に初のオフィシャルシングルモルトがリリース。
熟成年数は「12年」ものでした。
ただ、当時シングルモルト市場は飽和状態だったそう。
12年物のシングルモルトは数多くリリースされていました。
グレンロセスはブレンダーから支持されていても、その他大勢に埋もれてしまっていたそうです。
そこで、1994年からヴィンテージシリーズをリリース。
『グレンロセス』のブレンド権を持つワイン&スピリッツ商のBB&R(ベリー・ブラザーズ&ラッド)社がワインのヴィンテージものが愛されていることに着目。
ウイスキーでもヴィンテージ表記をしたら……と考えたのが発端だったそうです。
この発想が、ウイスキーコアファンにヒット。
ウイスキー好きの間で人気の銘柄となっていきます。
さらに2004年に異なる酒齢の原酒をブレンドしたノンエイジの『グレンロセス セレクト・リザーブ』をリリース。
2017年、グレンロセスのブランド権がBB&R社から蒸留所所有者のエドリントングループに。
そのことがきっかけかもしれませんが、2018年にラインナップを一新。
熟成年数表記の10年、12年、18年、25年などをリリースし、グレンロセスの主力商品となっています。
オープン当初から苦難の歴史の多く、心折れそうな逆境に追い込まれても、何度も再建したグレンロセス。
ウイスキーの原酒を取り扱うプロから支持されていたことが、支えとなっていたのかもしれないですね。
アナザーストーリー:スチルハウスに幽霊が……
キリスト教の大聖堂のように開放的なグレンロセスのスチルハウス。
実は、このスチルハウスに幽霊が出ることで有名なのだとか。
1980年代にスチルハウスを拡張工事して以来、ナイトシフトの職人たちが幽霊を見るようになりました。
その幽霊は、“バイウェイ”という黒人だそうです。
地元では有名な人物だそうで、グレングラント蒸留所2代目“メジャー・グラント”の執事をしていた人だそうです。
[sitecard subtitle=グレングラントとは? url=https://www.yaffee.work/entry/glengrant target=_blank]
南アフリカで孤児だった彼をメジャーが連れて帰り、60年近くローゼスで暮らしていました。
1972年に亡くなった彼は、グレンロセスすぐ横の共同墓地に葬られています。
幽霊となった彼の姿を、グレンロセスのナイトシフトの職人たちがたびたび目撃。
みな怖がり、ナイトシフトには入りたがらなくなりました。
超常現象の第一人者(セドリック博士)に依頼し、霊が出るようになった原因を探ることになります。
バイウェイのことを全く知らなったセドリック博士ですが、誰にも教わることなくバイウェイの墓にたどり着いたそう。
そして、バイウェイがグレンロセスの新スチルハウスに出すようになった原因を探りまじめます。
実は、
グレンロセスの新スチルハウスは、霊となったバイウェイの散歩コースだったそう。
「散歩コース」を邪魔されたバイウェイが夜な夜なグレンロセスに現れていたそうです。
セドリック博士が「散歩コースを変えてくれないか」と交渉して以来、グレンロセスにバイウェイが現れなくなりました。
そして蒸留所では、バイウェイの慰霊祭を開くことにし、以来グレンロセスの職人たちは、
「トゥーバイウェイ(バイウェイのために)」
といって乾杯するのが習わしとなったそうです。
嘘か本当か
信じるかはあなた次第です。(笑)
【他にもグレンロセスには面白いストーリーがあります。詳しくはこちらのサイトご覧ください。】
[blogcard url=https://www.bar-kottechan.work/entry/2019/10/11/074048]
グレンロセス Glenrothesのこだわりの製法
グレンロセスは、一回の仕込みになんと約5tもの麦芽を使用するそう。
ステンレス製のマッシュタン(糖化槽)で糖化。
同じくステンレス製と木製の発酵槽で発酵させていきます。
発酵時間は、約60時間。
スコッチモルトウイスキーの平均的な発酵時間ぐらいの長さです。
そこから大きなスチルハウスに並べられた全部で10基のスチルで蒸留していきます。
形はボール型です。
それぞれのスチルもかなり大きく、初留釜が2万2990ℓ、再留釜が2万5400ℓだそう。
再留釜の方が大きいというのもかなり珍しい蒸留所です。
そして、マッカランを有するエドリントングループが所有していることもあり、シェリー樽比率が高いことも特徴。
90%ほどがシェリー樽熟成だそうです。
【ウイスキーの製造をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください!】
[sitecard subtitle=関連記事 url= https://www.yaffee.work/entry/maltwhisky/tukurikata_]
グレンロセス Glenrothesのラインナップ
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グレンロセス Glenrothes蒸留所データ
創業……1878年
創業者……ジェームズ・スチュワート
オーナー会社……エドリントングループ
年間生産能力(100%アルコール換算)……約560万ℓ
仕込み水……アードカニーの泉、フェアリーウェルの泉
発酵槽……20基
ポットスチル……初留釜5基、再留釜5基(ボール型)
生産区分……スコットランド、スペイサイド、ローゼス
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
グレンロセスのストーリーは特に面白いかなと思います。
苦難や逆境に負けず、力強く生きる姿勢が尊敬できます。
それに、幽霊のストーリーも原因が「散歩コースの邪魔だった」ってオチもちょっと面白いですよね!(笑)
ぜひグレンロセスを飲むは「トゥーバイウェイ」と乾杯しながら……。
それでは良いウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いします!!
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