「ブラックベリーの谷」の意味を持つ『グレンドロナック Glendronach』!そのストーリーと特徴を解説

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本日もお越し頂きありがとうございます!!

実はイチゴが昔から一番好きなフルーツのウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o
 

今回のテーマは「グレンドロナック Glendronach」についてです!!

 

低価格のウイスキーの中では、かなり人気の「ティーチャーズ」。

そのティーチャーズのキーモルトの一つとなっているのが「グレンドロナック」です。

 

ティーチャーズのキーモルトというと「アードモア」の方が有名ですが、アードモアはスモーキー担当。

「グレンドロナック」は厚み担当みたいな感じかと思います。

 

ただ「グレンドロナック」はシングルモルトとしても、ファンからの特に支持されているウイスキー!!

特に「グレンドロナック 21年」は、絶品です!!

 

ウイスキー覚えたての頃、よくいろいろなバーやウイスキー好きの方から「一度は飲んだ方がいい」といわれていました。

実際飲んでみたら、世界が変わったっていうぐらい芳醇で深いウイスキーでした!!

 

 

グレンドロナックは、

ベリー系のフルーツ感やややビターチョコレート、紅茶のような芳醇で濃厚な味わいが特徴。

ウイスキーを飲み慣れていない方でも、楽しめるウイスキーかなと思います。

実際スタンダードな「グレンドロナック 12年」を試してみて、ウイスキーにハマってしまいましたってお声を何回か聞いたことがあります。

 

「シェリー樽熟成」のウイスキーを知りたい方には、特にオススメなシングルモルトだと思います!!

 

今回はそのグレンドロナックについて、ストーリーや製法から魅力に迫っていこうと思います!!

 

目次

グレンドロナック Glendronach蒸留所について

 

 

グレンドロナックはスコットランド、ハントリー郊外にある蒸留所です。

ちょうどハイランドとスペイサイドの境界線上に位置しています。

そのため、「東ハイランド」ではなく「スペイサイド」のカテゴリーに入れている資料もあったりします。

 

 

グレンドロナック Glendronachはゲール語で「ブラックベリーの谷」という意味。

 

シェリー樽熟成にこだわっている蒸留所で、

「マッカラン」や「グレンファークラス」と並ぶ「シェリー樽ウイスキーのエキスパート」といわれています。

 

 

グレンドロナック Glendronachのストーリー

 

グレンドロナックは、1826年に誕生しました。

創業者は地元の地主の息子“ジェームズ・アラデス”。

 

彼は、ウイスキー造りに熱い男だったそう。

彼の作るウイスキーは、地元の貴族たちの間で人気となります!

 

その中には地元の有力貴族である第5代目ゴードン公もいたそう。

すぐにゴードン公が愛飲するウイスキーとなります。

 

さらに、ゴードン公はアラデスという人物にも人として惚れ込んだそう。

彼をロンドンに連れ出し、社交界デビューさせたそう。

 

そこからロンドンでも人気のウイスキーとなりましたが、

アマデスは「悪い遊び」を覚えてしまったように社交界にハマってしまいます。

 

これにより彼のウイスキー造りへの情熱は冷めてしまったそうです。

そのため、1837年に火災により蒸留所の焼失という悲惨な結果を生んでしまいます。

 

その後蒸留所は再建されますが、ほかの人手に渡ってしまいます。

 

1960年にウィリアム・ティーチャーズ&サンズ社が買収。

そこからブレンデッドウイスキー「ティーチャーズ」の原酒として使われるようになります。

70年代流通の「ティーチャーズ」を分けて頂き飲んだことがありますが、かなりシェリー樽のニュアンスが強い味わいでした。

 

当時の「ティーチャーズ」には、グレンドロナックが多く使われていたのかなと思います。

 

また同社は、いち早くグレンドロナックをシングルモルトとしてリリース。

「グレンドロナック=シェリー樽熟成」というイメージを定着させようとしました。

 

これがグレンドロナックの伝統となっています。

今でもグレンドロナックの熟成樽は、ほとんどがシェリー樽です。

 

その後、ウィリアム・ティーチャーズ&サンズ社がアライド・ディスティラーズの傘下に。

 

その時に、UD社(現ディアジオ社)の「クラシックモルト」シリーズに対抗して1991年にリリースされた「カレドニアンモルト・シリーズ」に選ばれました。

 

 

ただし、このことはシェリー樽以外にも「リフィルカスク」なども使っていたそう。

今のドロナックとは少し経路が違う感じでした。

 

その後2001年まで閉鎖。

 

2005年にシーバスブラザース社の傘下となり、ペルノリカール社所有となります。

 

そして2008年、ベンリアック・ディスティラリー社が買収。

ベンリアック・ディスティラリー社はシェリー樽熟成をメインに行っていたころのグレンドロナックを再現しようと奮闘します。

 

なんと、この再建プロジェクトに5年間で約300万ポンドもの投資をしたそう。

 

シェリーの熟成に使っていた樽をスペインから直輸入し、在庫のウイスキーのおよそ半分を新しい樽に詰め替えたそうです。

3年計画で熟成。

 

今では、ペドロヒメネスまたはオロロソシェリーの樽メインで熟成しています。

 

またピーデッドスタイルやヴィンテージ、シングルカスクな様々なオフィシャルボトルをリリース。

 

グレンドロナックが再び人気のウイスキーとなっていきます。

 

その後、2016年にブラウンフォーマン社がベンリアック・ディスティラリー社を買収。

ブラウンフォーマン社は、「ジャックダニエル」を所有しているアメリカの大手企業です。

 

 

 

ベンリアック社が目指した「伝統的なグレンドロナックの作り方」はそのまま引き継いでいるようです!!

 

2020年の11月4日にリリースされた「グレンドロナック トラディッショナリー」は創業者アラデスが残した製法を継承しているそう。

ピートタイプのグレンドロナックでは珍しいタイプの一本で、その製法はピート乾燥の仕方は通常のウイスキーとは違うそう。

 

ぜひ飲んでみたいですね!!

 

 

 

グレンドロナック Glendronachのこだわりの製法

 

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グレンドロナックのポットスチル

 

 

まず一回の仕込みに3.76tの麦芽を使うそう。

そこから1万8000ℓの麦汁を得ます。(やや平均値より少ない比率)

 

その麦汁を、カラマツ製の発酵槽で発酵させていきます。

ただこの発酵槽は二酸化炭素を回収する装置がついているそう。

環境に配慮した最先端のシステムとなっているそうです。

大体発酵時間は60~90時間。

 

そして発酵モロミをバルジ型のポットスチルで蒸留していきます。

 

グレンドロナックは、ハイランドの中でも最後まで石炭直火蒸留を行ってきた蒸留所。

ただ2005年の増設時にすべて間接蒸留に切り替えられています。

 

このポットスチルは、すべてマニュアル操作で行うそう。

コンピューター制御はしないそうです!!

 

そしてその原酒をこだわりのシェリー樽メインで熟成させていきます。

 

 

 

グレンドロナック Glendronachのラインナップ

 

 

グレンドロナック 12年

 

熟成年数 12年以上

アルコール度数 43%

容量 700ml

参考価格 5000~6000円

 

辛口のオロロソシェリーとごく甘のペドロヒメネスの樽を使ったグレンドロナックのスタンダードボトル。

 

ベリー系のフルーティさと程よいビター感。

12年熟成ながらかなり濃厚な仕上がりで、まったり楽しみたいときにちょうどいいウイスキーかなと思います。

 

ただハイボールにすると、華やかなベリー感とちょっとだけビターなチョコレートが弾ける味わいに!!

ビターにまったり楽しみたいときはストレートやロック。

ライトに楽しく飲みたいときはハイボールみたいな楽しみ方ができるかなと思います。

 

シェリー系ウイスキーの入門にオススメです!!

 

 

グレンドロナック 15年

 

熟成年数 15年以上

アルコール度数 46%

容量 700ml

参考価格 10000~12000円

 

アンダルシア産のオロロソシェリーとペドロヒメネスの樽を使用したグレンドロナックのスタイルともいえる一本!

 

グレンドロナックの昔ながらの作り方を踏襲したボトルだそう。

力強さとなめらかな舌触り。そしてドライフルーツとビターなだけど甘いミルクチョコ。

 

力強く、深く包み込むようなウイスキーかなと思います!!

 

 

グレンドロナック 18年

 

熟成年数 18年以上

アルコール度数 46%

容量 700ml

参考価格 13000~14000円

 

ヨーロピアンオークのシェリー樽100%使用した一本。

 

『究極のシェリー爆弾』ともいわれているウイスキーで、確かに究極にシェリー感を味わえるかなと思います!!

 

渋みや酸味。そしてビターチョコ。

バニラやドライプルーン、レーズンのニュアンスに、ドライな舌触り。

最後に程よい甘みも出てきて様々な顔を見せてくれるウイスキーかなと思います。

 

 

グレンドロナック 21年

 

熟成年数 21年以上

アルコール度数 48%

容量 700ml

参考価格 15000~18000円

 

圧倒的深みのあるウイスキー!!!

 

オロロソシェリードライさとペドロヒメネスの甘みが絶妙なバランスでマッチ。

フルボディな仕上がりで、レーズン、プラム、そして深いビターチョコ。

深く伸びる甘み。

余韻にはシナモンやクローブといったスパイス感。

 

様々なフレーバーが複雑に絡み合い、味わいのバランスがかなりいいです。

 

このウイスキーはぜひストレートでゆっくり味わってみてもらいたいな~って思います。

もちろんロックもハイボールでもうまいです!!

 

 

 

グレンドロナック Glendronach蒸留所データ

 

 

創業……1826年

創業者……ジェームズ・アラデス

オーナー会社……ブラウンフォーマン社

年間生産能力(100%アルコール換算)……約140万ℓ

使用麦芽……基本ノンピート。年間15万ℓ分のピート麦芽(38ppm)使用

仕込み水……施設内の井戸水と7キロ先の泉の水

発酵槽……カラマツ製10基

ポットスチル……初留釜2基、再留釜2基 バルジ型

生産区分……東ハイランド

 

最後に……

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます!!

今回のお話いかがだったでしょうか?

 

グレンドロナックは、僕の中でもかなり好きなウイスキーの一つ。

特にグレンドロナック21年は、お祝いの一杯としてよく行くバーでいただいてから感動したウイスキーです。

そしてTwitterのフォロワーさんからも頂き、やっぱりうまいなーと確信しました。

 

ただお高いウイスキーだとは思うので、バーなどでお会いしたらぜひ試してみてください!!

 

それでは良いウイスキーライフを!!

また次回もよろしくお願いいたします!!

 

 


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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

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