本日もお越し頂きありがとうございます!!
前までキルホーマンをキッコーマンと混同してましたが、
今ではキッコーマンを見るとキルホーマンに見えてしまうウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回は「キルホーマン Kilchoman」蒸留所についてです!!
「キルホーマン Kilchoman」は、スモーキーでピーティなアイラらしい香りにシトラスのフレッシュなフレーバーが特徴。
2005年の誕生したアイラ島の新しいシングルモルトウイスキーです。
(キルホーマン マキヤーベイ 700ml 46度 楽天より)
今世界中のウイスキー界で流行りとなっている「クラフトディスティラリー」の元ともいえる蒸留所。
原料の麦芽から仕込み方、熟成方法など、細部までこだわったウイスキーを造っています。
そのこだわりから、リリース直後からウイスキーファンの間で一気に人気となった銘柄です。
今回は、そんな『キルホーマン Kilchoman』蒸留所の特徴、ストーリー、製法を見ていこうと思います!!
キルホーマン Kilchoman蒸留所について
キルホーマン Kilchomanは、アイラ島の西側にあるリン半島に位置するロックサイド・ファームの一画にある蒸留所。
キルホーマンは、サマーレッドの子孫で”ロード・オブ・ジ・アイルズ(島々の君主)”となったアンガス・オグの夏の離宮があった場所だそう。
ロックサイド・ファームの一画にある農家の建物を改造してオープンしたのが「キルホーマン蒸留所」です
他のアイラ島の蒸留所は海に面していますが、キルホーマン蒸留所は海に面していません。
アイラ島で海に面していない蒸留所は、「キルホーマン」と新しくできた「アードナッホー」ぐらいです。
キルホーマン蒸留所は、2005年に誕生した比較的新しい蒸留所!!
アイラ島に新しい蒸留所が誕生したのは、約124年ぶりだそうです。
さらにキルホーマン蒸留所は、スコッチの聖地アイラ島に新しく誕生した蒸留所だけではなく、
「ファーム・ディスティラリー(農場型蒸留所)」としても有名。
19世紀までは、農家が農業の傍らにウイスキーを造ることは一般的だったそうです。
今ではウイスキーを大量生産する蒸留所が増えました。
ただキルホーマンはあえて大量生産せず、小規模生産で農場からこだわったウイスキーを造っています。
畑からウイスキー造りにこだわり、自家製の大麦も使用しているキルホーマン。
「Farm to Grass(畑からグラスへ)」
を唱えるこの蒸留所は、今世界中の新勢力蒸留所で流行りとなっている「クラフトディスティラリー」の先駆者となっています。
キルホーマン Kilchomanのストーリー
キルホーマン蒸留所の歴史は浅く、2005年からスタートします。
ところが、こだわりの「ファーム・ディスティラリー」となるまでには、深いストーリーがありました。
キルホーマン蒸留所の創業者は、アンソニー・ウィリス氏。
蒸留所計画を進めた時、候補地は二転三転したそうです。
ところが、ロックサイド・ファームの農場主マーク・フレンチ氏が共同出資してくれることに!!
それにより、現在のキルホーマン蒸留所の場所が決定したそうです。
14~15世紀ごろに建てられたといわれているケルト十字のそば、農場の古い建物を改修して蒸留所は建設されました。
この設計には、”ウイスキー界のサンダーバード”故ジム・スワン博士が設計に携わったそうです。
また農場主マーク・フレンチ氏が共同出資者となってくれた背景には、
「100%アイラのシングルモルト」となる原料の大麦を栽培しようと考えたからだそう。
現在100%アイラのシングルモルトがリリースされ、「Farm to Grass(畑からグラスへ)」の実現に成功しています。
しかし、オープンしてから少し経った2006年。
キルホーマン蒸留所で火災が発生してしまいます。
麦芽乾燥塔で火災が発生。
蒸留所自体は数週間の生産停止となり、製麦は年内生産中止となってしまいました。
現在では、復旧し自家製麦の製造もおこなっています。
2007年に新しく2基の発酵槽を増設。熟成庫も新設されます。
そして2009年9月9日、初となる3年物のシングルモルトがリリースされました。
元々キルホーマン蒸留所は短期熟成のウイスキーで勝負しようと考えていたそうです。
それには、ウイスキーには10年以上の熟成が必要という概念が弱まってきたことが背中を押しました。
結果、3年熟成のファーストリリースも高評価でした。
それから2010年にブナハーブン蒸留所の所長を22年間務めたジョン・マクレーラン氏がキルホーマン蒸留所マネージャーに就任。
2011年には4年物、5年物、そして「100%アイラ」がリリースされます。
2015年に、ロックサイド・ファームの農業主マーク・フレンチ氏がリタイア。
農場もアンソニー・ウィリス氏が引き継ぐこととなります。
それから、マディラカスク、ポートカスク、ソーテルヌカスクなど様々な樽熟成物をリリース。
さらに幅広い種類の限定物をリリースをしています。
そして2019年、世界的なクラフトウイスキーブーム、アイラモルトブームを受けて新たに蒸留器を2基追加。
さらに糖化槽1基と発酵槽6基も追加し、生産量を2倍に増やしています!!
今後のキルホーマンにも目が離せないですね!!
キルホーマン Kilchomanのこだわりの製法
キルホーマン蒸留所は、昔ながらのファーム・ディスティラリーを貫く新しい蒸留所。
小規模生産にこだわりを持っています。その規模は現在アイラ最小!!
ただボトリング設備を所有。
畑で作られた大麦から最後の瓶詰まで全工程を蒸留所内で行っています。
そんなキルホーマン蒸留所のワンバッチ麦芽量は1.2t。
もちろんワンバッチの仕込み量もアイラ最小だそうです。
そしてその麦芽の30%は自社製の麦芽!!
麦芽のフェノール値は20ppmとなっています。
その麦芽とポートエレン製麦芽(50ppm)を合わせて仕込んでいます。
1.2tの麦芽から6000ℓの麦汁を抽出。
そしてステンレス製発酵槽でマウリ社のプレスイーストを使って発酵させていくそうです。
キルホーマンはスモーキーフレーバーを残しつつライトでフルーティな原酒を求めているそう。
そのため、ポットスチルは背の高い首の細いタイプにしたそうです。
ニューポットのアルコール度数も70~69%とアイラ島の中では高め。
また、熟成も早くなる傾向があります。キルホーマンのフレッシュフルーツ感はここからきているかもしれないですね!!
そして短期熟成物のフレッシュなウイスキーを中心にリリースしています。
自家製麦から仕込み・発酵・蒸留・熟成・ボトリングまで
現在アイラ島で「100%アイラ」を実現できるのはキルホーマン蒸留所のみとなっています!!
キルホーマン Kilchomanの定番リリース
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キルホーマン Kilchoman蒸留所データ
創業 | 2005年 |
創業者 | アンソニー・ウィリス氏 |
オーナー会社 | キルホーマン・ディスティラリー社 |
仕込み水 | ロックサイド・ファームの湧き水 |
年間生産能力(100%アルコール換算) | 約46万ℓ |
麦芽 | キルホーマンで製麦した20ppmのピート麦芽 ポートエレン製麦芽 50ppm |
発酵槽 | ステンレス製12基 |
ポットスチル | 初留釜2基、再留釜2基 |
生産区分 | スコットランド アイラ島 |
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
新勢力筆頭と呼んでもいいキルホーマン蒸留所!
そのストーリーも決して順調なものではなく、
様々な困難や逆境に負けず、今の地位を確立していきました!
新しいことにチャレンジしていくことは、勇気が要ります。
だけどこのキルホーマンのように困難に立ち向かったからこそ見える景色があると思います。
いつかくじけそうなときにウイスキーのストーリーとともにウイスキーに癒されてみるのもいいかもしれませんね!
それでは良いウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いします!
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デビッドハレット, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons