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ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のお話は、
「プルトニー蒸留所」
についてです!!
「プルトニー」は、リンゴっぽいフルーティさとスパイシーさ、そしてソルティなフレーバーが特徴。
「ブリニー(潮っぽさ)」を代表するウイスキーの一つです。
製品では、「オールド プルトニー」の名で売れれていて、マリタムモルト(海のモルト)としてマーケテイングを展開。
海のモルトという名が多くのウイスキーファンを虜にしています。
今回は、『プルトニー』蒸留所の特徴、ストーリー、製法を見ていこうと思います!!
プルトニー蒸留所について
Alan Jamieson, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
プルトニー蒸留所は、スコットランド本土の北、ウィックという街にある蒸留所。
ウルフバーン蒸留所ができるまでは、スコットランド本土で最北端の蒸留所でした。
ウィックよりも北にあるサーソーという街にウルフバーン蒸留所ができたことから、現在スコットランド本土最北端の蒸留所はウルフバーンとなっています。
プルトニーはハイランドの中でも北に位置する「北ハイランド」を代表するウイスキー。
その特徴であるライトさの中にある深いフレーバーがしっかりと現れています。
過去には、バランタイン社がプルトニー蒸留所を所有。
バランタインの原酒に使われていた時代もあり、「バランタイン 17年」の骨格を作っていた「魔法の7柱」の一つに数えられています。
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プルトニーのストーリー
プルトニー蒸留所は、1826年創業。
当時ニシン漁で栄えていたウィックのプルトニータウンに誕生しました。
1824年に酒税法の改正が行われ、1824~1826年の間は多くの公認蒸留所が誕生した時代でもあります。
現在まで残っている蒸留所の中で1824~26年創業の蒸留所は、13か所。
ここ10年以内に誕生した蒸留所を抜かすとスコットランドには約130か所の蒸留所があるので、約1割もの蒸留所が1824~26年に誕生しています。
19世紀から20世紀初頭にかけては、ウィックの街はニシン漁で大変賑わっていました。
ヨーロッパ最大のニシン漁の街として計画的に改革が進められたウィック、そしてプルトニータウン。
その一部として創業・建設ラッシュのウイスキー蒸留所も建てられました。
そしてプルトニーは一躍町の主要産業となっていきます。
「ウィックの街は金(プルトニーのウイスキー)と銀(ニシン)で成り立っている」
このように言われるほどでした。
港には1000隻を超えるニシン船が集結。湾をニシン漁の船で埋め尽くされるほどだったそうです。
そんなウィックの街に暗雲が立ち込め始めます。
1922年、ウィックの街に独自の禁酒法が制定されました。
当時、街が活性化したことによりアルコールによる治安の悪化が問題となっていました。
犯罪やアルコール中毒者が増え、禁酒運動が活発化していました。
当然プルトニー蒸留所も操業停止となってしまいます。
そして禁酒法が制定されてからウィックの街から人が引いていきました。
ニシンとウイスキーで賑わっていたウィック。
ニシン市場も廃れウイスキーの生産も絶たれたため、街はどんどん廃墟化していきます。
禁酒法が明けたのは制定されてから25年後の1947年になってから。
ただし、プルトニー蒸留所はすぐに操業することができず、操業再開できたのは1951年になってからでした。
その時のオーナーがバランタイン社(ハイラムウォーカー社やアライドグループとなっているかもしれません)。
しばらく、バランタイン用の原酒を作る蒸留所として操業します。
その後、再びプルトニー蒸留所が脚光を浴びるようになったのは、1995年。
インバーハウス社に売却されてからでした。
1997年、シングルモルトウイスキー「オールドプルトニー 12年」がリリース。
それからしばらくたった2012年、ウイスキーライターとして世界的に有名な「ジム・マーレイ」のウイスキーバイブルにてオールドプルトニー21年がウイスキー・オブ・ザ・イヤーに選出されます。
そこから蒸留所の知名度は一気に高まっていき、今では「海のモルト」として多くのウイスキーファンから支持されています。
現在の年間セールスは80万本だそうです!!
2010年まではスコットランド本土最北端の蒸留所でしたが、ウルフバーン蒸留所ができてからその地位はウルフバーン蒸留所のものとなってしまいました。
また、近々新しい最北端の蒸留所ができるそう。「ジョン・オグ・ローツ」という蒸留所で、そこがが完成したら最北端の蒸留所は「ジョン・オグ・ローツ」となります。
プルトニーのこだわりの製法
オールドプルトニーのワンバッチ仕込み量は麦芽5t。
マッシュタンはステンレス製のセミロイタータンです。
発酵槽もステンレス製で合計7基あります。発酵時間はショートとロングがあるそう。
ロングは100時間とかなり長めです。
ロングはライトな酒質を求めているようですね。
そしてプルトニー最大の特徴である奇妙な形のポットスチルで蒸留されます。
レイクワーサー, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
写真のスチルは、プルトニー蒸留所の再留釜。再留釜もなかなか奇妙な形ですが、初留釜がもっと奇天烈。
まるで宇宙服のようなポットスチルにスワンネックがないT字シェイプ型となっています。
さらに冷却器は屋外ワームタブ式。蛇管が異様に長いですが、これは銅製ではなくステンレス製なのだとか……。
プルトニーの定番リリース
現在オールドプルトニーの定番リリースは……
- オールドプルトニー 12年
- オールドプルトニー ハダート
- オールドプルトニー 15年
- オールドプルトニー 18年
となっています。
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プルトニー蒸留所データ
創業 | 1826年 |
オーナー会社 | インバーハウス社 |
年間生産能力(100%アルコール換算) | 180万ℓ |
蒸留器 | 初留1基 再留1基 (独自の丸みを帯びた型) |
生産区分 | スコットランド 北ハイランド |
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
僕も今回まとめながら初めてスコットランドの一部地域で禁酒法が制定されたことを知りました。。
やはり禁酒法は、人の流れを止め街を衰退させる要因となるのだと思います。
その影響を大きく受けたプルトニー蒸留所。
個人的には、ちょっと前までリリースされていたオールドプルトニー 17年が特に好きでした。
バランスが良く、深みのある一本でした。
もうなくなってしまったのが残念です。。
それでは良いウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いします!
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アイキャッチ画像
K. Schwebke at de.wikipedia, CC BY-SA 3.0 DE, via Wikimedia Commons