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ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のお話は「世界5大ウイスキー」について!!
皆さん、世界には5大ウイスキーと呼ばれるものがあることご存じですか?
それは……
- スコットランドのスコッチウイスキー
- アイルランドのアイリッシュウイスキー
- アメリカのアメリカンウイスキー
- カナダのカナディアンウイスキー
- 日本のジャパニーズウイスキー
の5つです。
この5つのウイスキーには、それぞれに特徴や定義があります。
今回は、そんな世界5大ウイスキーをマニアックかつ分かりやすく解説していこうと思います。
今回の記事でわかること……
- 世界5大ウイスキーとは?
- 各国のウイスキーの定義、特徴について
知っておきたい世界5大ウイスキーとは?
ウイスキーには、5つの主要産地があります。
その5つが「世界5大ウイスキー」といわれているものです。
- スコッチウイスキー
産地……スコットランド
- アイリッシュウイスキー
産地……アイルランド
- アメリカンウイスキー
産地……アメリカ - カナディアンウイスキー
産地……カナダ - ジャパニーズウイスキー
産地……日本
この5種類のウイスキーはそれぞれに製法・特徴が異なります。
そして最近増えている世界5大ウイスキー以外の蒸留所は、この5大ウイスキーの製法(主にスコッチ)が参考になっています!!
[sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https://www.yaffee.work/entry/whisky-teigi target=_blank]
そのため世界5大ウイスキーを知ることで、ウイスキーのほどんどがわかるといっても過言ではありません!
スコットランドのスコッチウイスキーとは?
スコッチウイスキーは、スコットランドで作られているウイスキー。
スコッチウイスキーの種類は大きく3種類あります。
【スコッチウイスキーの分類】
- モルトウイスキー
- グレーンウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
それぞれに違いがありますが、その前に スコッチウイスキーと呼ぶためには、細かいルールが法律で決められています。
- 水・イースト・麦芽(モルトウイスキー)又はその他の穀物(グレーンウイスキー)のみを原料とすること。
- スコットランドの蒸留所で糖化・発酵・蒸留を行うこと
- アルコール度数94.8%以下で蒸留すること
- 容量700ℓ以下のオーク製の樽で熟成させること
- スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成させること
- 水とスピリッツカラメル以外の添加は禁止。
この法律をすべてクリアして、初めてスコッチウイスキーと呼ぶことができます。
そしてさらに細かく見ていくと、ブレンデッドウイスキーやグレーンウイスキーはスコットランド以外でもボトリングできますが、シングルモルトはスコットランド国内でボトリングしないといけません。
また、シングルモルトはポットスチル(単式蒸留器)で蒸留させないといけないというルールがあります。
この基準は、世界中で造られている多くのウイスキーの自主基準のベースにもなっています。
そして、スコッチウイスキーで最も売れている・作られているのはブレンデッドウイスキーです。
スコッチブレンデッドウイスキーとは?
スコッチブレンデッドウイスキーは、飲みやすくバランスの取れた万人受けしやすいウイスキーです。
ウイスキーのブレンドが行われるようになったのは1853年ごろ。
ただこの当時のブレンデッドウイスキーは、今でだと「シングルモルト」や「ブレンデッドモルト」でした。
当時の酒屋さんは蒸留所からウイスキーを樽買い。その樽からボトルを持ってきたお客さんに分けて販売していたそうです。
ところがウイスキーは樽ごとの熟成度合が違い味にばらつきがあります。
そのため、当時酒屋で売っていたウイスキーは毎回同じ味にはならなかったそうです。
そこでエジンバラの酒商”アンドリュー・アッシャーがグレンリベットをブレンド。
毎回同じ味に仕上げた「アッシャーズ・オールド・ヴァッテッド・グレンリベット・ウイスキー」を作り上げました。
これがブレンデッドウイスキーの始まりです。
1860年には法改正が行われ、モルトウイスキーとグレーンウイスキーのブレンドが可能となります。
もともと個性が強すぎてスコットランドの地酒に過ぎなかったウイスキー。
穏やかな個性のグレーンウイスキーが混ざることで万人に飲みやすいブレンデッドウイスキーが誕生しました。
ちょうどその時、フィロキセラの影響でワイン・ブランデーが大打撃を受けます。
ブランデーが入手しにくくなったタイミングで誕生した飲みやすいスコッチブレンデッドウイスキー。
ここからヨーロッパ中、世界中で飲まれる蒸留酒となり、今の地位が確立されていきました。
ブレンデッドウイスキーの中でも特に低価格帯のものは、飲みやすさ・受け入れられやすさを求めながら、個性もしっかりと残している味わいに仕上げています。
そのため、ウイスキー初心者には最適な一本といえます。
またシングルモルトウイスキーを飲んでから、再びブレンデッドウイスキーを飲むのも乙な楽しみ方です。
「このブレンデッドウイスキーの中にあのシングルモルトの味あるな~」という発見ができます。
ブレンデッドウイスキーの味の中から探してみるのもちょっとマニアックなウイスキーの楽しみ方の一つです。(笑)
スコッチシングルモルトウイスキーとは?
そのブレンデッドウイスキーの核となるのが、大麦麦芽100%のモルトウイスキー。
そして一つの蒸留所だけで造られるモルトウイスキーを『シングルモルトウイスキー』。
スコッチシングルモルトウイスキーというと「けむい」・「クセの強い」・「正露丸」といった個性が挙げられると思います。
ところが、そういった個性を前面に出しているシングルモルトウイスキーはスコッチの中でもごくわずか。
一言に「シングルモルトウイスキー」といっても個性は様々です。
- 華やかで万人受けしやすいライトなモルトウイスキー
- 「薬品」、「正露丸」といった個性の強いマニア向けスモーキーなモルトウイスキー
- 味わいの濃い濃厚なモルトウイスキー
などなど
その個性は、スコッチの中でも産地で大きく変わります。
スコッチの生産区分 | 特徴 |
---|---|
アイラ | アイラ島で作られるモルトウイスキー。 スモーキーで癖の強いモルトウイスキーが多い傾向があります。 ”スコッチモルトウイスキーの聖地”の一つです。 |
スペイサイド | スコットランドのスペイ川流域・支流域の地域で作られているモルトウイスキー。 フローラルでフルーティなタイプが多く、アイラと対極的な特徴となっています。 同じく”スコッチウイスキーの聖地”です。 |
ハイランド | スコットランドの上の方で作られているモルトウイスキー。 いかにもスコッチらしい骨格のしっかりとしたモルトウイスキーが多く、はっきりとした味わいが特徴です。 |
ローランド | スコットランドの中でもイングランドに近い地域で作られているモルトウイスキー。 モルティな味わいが特徴で、飲みやすいタイプのウイスキーが多いです。 |
アイランズ | アイラ島を除く、スコットランド本土の周りの島々で作られているモルトウイスキー。 島ごとに個性は変わりますが、塩っぽさのあるウイスキーが多い傾向があります。 |
キャンベルタウン | かつてはウイスキー産業で栄えた町「キャンベルタウン」で作られているモルトウイスキー。 フレーバーが豊かで塩っぽくフルーティでスモーキーといった香りの強いタイプが多いです。 |
それぞれの産地を飲み比べてみると違いがわかり面白いのではないでしょうか。
スコッチグレーンウイスキーとは?
そしてスコッチウイスキーには、モルトウイスキーほかにグレーンウイスキーがあります。
これは穀物原料に近代的な蒸留器の連続式蒸留機というもので造られたウイスキー。
酒質自体の個性が穏やかなものが多いので、ほとんどはブレンデッドウイスキー用にモルトウイスキーの引き立て役となることが多いです。
特にシングルモルトがあり、ブレンデッドウイスキーのあるスコットランドでは、グレーンウイスキーが出回ることはあまりないです。
時々シングルグレーンとして出回ることがありますが、ごくまれ。
かなりマニア向けな一本なことが多いと思います。
[sitecard subtitle=詳しくは…… url=https://www.yaffee.work/entry/grainwhisky target=_blank]
アイルランドのアイリッシュウイスキー
アイリッシュウイスキーはスコッチウイスキーより歴史が長いともいわれています。
ただどっちが起源かは議論が絶えないようです。
スコッチブレンデッドウイスキーができるまでは、アイリッシュウイスキーのほうが人気でした。
それは当時スコッチのモルトウイスキーより飲みやすかったためです。
しかし飲みやすいスコッチブレンデッドウイスキーの誕生やアメリカの禁酒法、それ以外にも政治的影響などがあり、一時は風前の灯火でした。
ここ最近新しい蒸留所がたくさんでき、息を吹き返してきています。
【アイリッシュウイスキーの分類】
- モルトウイスキー
- グレーンウイスキー
- アイリッシュポットスチルウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
アイリッシュウイスキーにもスコットランド同様に法律があります。
- 穀物類を原料とすること。
- 麦芽に含まれる酵素によって糖化させる
- 酵母によって発酵
- アルコール度数94.8%以下で蒸留すること
- 木樽で熟成させること
- アイルランド共和国または、北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させること
アイリッシュウイスキーにもスコッチウイスキー同様にモルトウイスキーとグレーンウイスキーはあります。
その製法は、ほとんどが同じです。
ただ2点だけ違う点があります。
- アイリッシュウイスキーの樽材にオーク製の決まりがない。
- グレーンウイスキーと名乗るために、原材料の決まりがある。
アイリッシュシングルモルトウイスキーとは?
アイリッシュシングルモルトウイスキーの特徴は、飲みやすくフルーティで穀物感(モルティ)さのある味わいが多いことです。
アイリッシュシングルモルトウイスキーの多くはポットスチルで3回蒸留を行います。
スコットランドでは2回蒸留が一般的ですが、アイリッシュウイスキーでは、伝統的に3回蒸留が行われてきました。
ウイスキーは蒸留回数が増えるほど、ライトでスムースになる傾向があります。
アイリッシュシングルモルトウイスキーでは、そのライトさ・スムース感を求めているようです。
スコッチに比べて飲みやすく、クセの少ないものが多いので、シングルモルト初心者向けのボトルが特に多い傾向があります。
また、アイリッシュウイスキーにはオーク製の木樽を使わなくてはいけないという決まりがありません。
そのため、栗や桜といった木の樽も使用されているそうです。
楽しみです!!
アイリッシュグレーンウイスキーとは??
アイリッシュウイスキーにはポットスチルウイスキーがあります。
グレーンウイスキー同様に、モルト以外の穀物も使用したウイスキーです。そのため区別する必要があります。
アイリッシュグレーンウイスキーのポイントは2点。
- 大麦麦芽の使用が30%未満。
- 連続式蒸留機でも単式蒸留器(ポットスチル)でも可。
大麦麦芽の使用量30%を超えてしまうと、ポットスチルウイスキーとあいまいになってしまうため、このような基準が設けられています。
アイリッシュポットスチルウイスキーとは??
アイリッシュウイスキーが、スコッチウイスキーと最も違うところは、アイリッシュポットスチルウイスキーがあることです。
ポットスチルウイスキーは、麦芽(モルト)100%ではなくほかの穀物もまぜて、単式蒸留器で蒸留されて造られたウイスキーのこと。
またグレーンウイスキーと区別するために、大麦麦芽と未発芽の大麦はそれぞれ30%以上使用、その他の穀物は5%未満と定められています。
シリアルの香りが強く、少しスパイシーなのがポットスチルウイスキーの特徴となっています。
アイリッシュシングルモルトウイスキー同様に、3回蒸留して作られることが多いです。
アイリッシュブレンデッドウイスキー
そしてアイリッシュウイスキーの場合、ブレンデッドウイスキーは、
〔モルトウイスキー、グレーンウイスキー、アイリッシュポットスチルウイスキー〕
の中どれか2つ混ぜられていればブレンデッドウイスキーとなります。
そのためスコッチより組み合わせ・バリエーションは豊富です。
アメリカのアメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーというとあまりピンとこないと思いますが、バーボンウイスキーならわかるのではないでしょうか。
バーボンはこのアメリカンウイスキーの一つです。
【アメリカンウイスキーの分類】
- バーボンウイスキー
- テネシーウイスキー(テネシーバーボンとも言います。)
- ライウイスキー
- ウィートウイスキー
- モルトウイスキー
アメリカンシングルモルトウイスキー - ライモルトウイスキー
シングルライモルトウイスキー - コーンウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
- ライトウイスキー
- スピリットウイスキー
などなど
アメリカンウイスキーの種類とこんな感じになります。
それぞれ分類ごとに細かいルールがありますが、そもそもアメリカンウイスキーと呼ぶためには、以下のように定義されています。
- 穀物が原料
- アルコール度数95%以下で蒸留すること
- オーク製の樽で熟成させること(コーンウイスキーは必要なし)
- 40%以上でボトリングされたもの
ここには、記載されていませんが、大前提としてアメリカで作られていることがアメリカンウイスキー。
そしてこの定義の範囲内で、分類別にさらに細かいルールが定められています。
バーボンウイスキーとは?
アメリカンウイスキーの中でも特に人気の高いバーボン。
バーボンウイスキーと呼ぶためには、定義があります。
- 原料の51%以上はトウモロコシ
- アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
- 内側を焦がしたオーク製の新樽で熟成させること
- 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
- 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの
また、これ以外にも……
- 2年以上の熟成で「ストレートバーボンウイスキー」。
- 4年以上の熟成で熟成年数の表記の必要がなくなる。
- ケンタッキー州で作られたら「ケンタッキーバーボンウイスキー」と名乗れる。
などの決まりがあります。
バーボンウイスキーは、トウモロコシを51%以上使わないと名乗ることができません。ただ大体多くの蒸留所は60~80%ぐらいトウモロコシを使用しています。
そして40~20%ぐらいあるそれ以外の穀物の比率によって大きく味わいが変わってきます。
例えばライムギを多く使うとスパイシーで力強い味わいに、小麦を多く使うとマイルドな味わいに仕上がりやすいです。
各蒸留所・各ブランドは、この穀物の比率(マッシュビル)で違いを出しています。
そのため、バーボンのマッシュビルは、そのバーボンの味を知る注目ポイントでもあります。
そしてバーボンでよく間違われるのは、「ケンタッキー州で作られたウイスキーがバーボンである」ということ。
実は、これは大きな間違いで、「バーボンウイスキーの定義にはケンタッキー州で作らなくてはいけない」という記載がありません。
バーボンは、たとえアラスカだろうとハワイだろうとアメリカ国内であれば作ることができます。
テネシーウイスキーとは?
アメリカンウイスキーには、バーボンのほかに有名なウイスキーがあります。
それは「テネシーウイスキー」です。
テネシーウイスキーもバーボンと同様に定義があります。
そしてテネシーウイスキーは、バーボンウイスキーの定義にすべて当てはまっていることが必須。
そのうえで2点、追加の定義があります
- 原料の51%以上はトウモロコシ
- アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
- 内側を焦がしたオーク製の新樽で熟成させること
- 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
- 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの
- テネシー州で作られていること。
- 蒸留直後の原酒をサトウカエデの炭でろ過(チャコールメローイング製法)を行っていること。
この2つを守っていることがテネシーウイスキーの定義です。
テネシーウイスキーは、バーボンと違い、テネシー州で作られていることが絶対条件!
そのうえで、蒸留直後の原酒をサトウカエデの炭でろ過する(チャコールメローイング製法)を行っている必要があります。
サトウカエデの炭でろ過を行うことで、蒸留後の嫌な香りや重たい舌触りとなる原因の成分を取り除くことができます。
そのうえで、サトウカエデの甘い香りも付加されることがあるそう。スムースな原酒に甘い香りが付くわけです。
アメリカンモルトウイスキーとは?
アメリカンモルトウイスキーはちょっと複雑。
なぜなら定義のほとんどがバーボンウイスキーと変わらないからです。
違うのは、原料がトウモロコシからモルト(大麦麦芽)に変わっているだけ。
- 原料の51%以上はモルト(大麦麦芽)
- アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
- 内側を焦がしたオーク製の新樽で熟成させること
- 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
- 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの
- 2年以上の熟成でストレートモルトウイスキーとなる。
原料はモルトを51%以上使用。そのうえで内側を焦がした新樽を使用しなくてはいけません。
そのため、味わいもバーボンに近いものが多いです。
アメリカンシングルモルトとは??
アメリカにもシングルモルトウイスキーはあります。
そしてアメリカでも「シングルモルトウイスキー」と名乗るためには麦芽比率100%である必要があります。
そこがアメリカンモルトウイスキーとアメリカンシングルモルトウイスキーの違いです。
またアメリカンシングルモルトも基本的には新樽が使われますが、スコッチモルトウイスキー同様に古樽の使用もできるそう。
それが、新樽熟成後でしか古樽熟成はできないのか、蒸留後の原酒から古樽から熟成できるのかはわかりません。
ただ、アメリカのシングルモルトを見てみると必ず新樽が使用されているので、新樽での熟成がアメリカンシングルモルトの特徴となっているのだと思います。
スコッチシングルモルトより樽香が強く、力強さのあるものが多い傾向があります。
ライウイスキーとは?
アメリカンウイスキーには、ほかにもライウイスキー、ウィートウイスキーなどがあります。
中でも特に多いのがライウイスキー。
ライウイスキーにも定義があり、ほとんどがバーボンと同じです。
ただ一点違うのが、原料の51%がトウモロコシでないといけなかったバーボンに対したライウイスキーは原料の51%はライ麦となっています。
- 原料の51%以上はライ麦
- アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
- 内側を焦がしたオーク製の新樽で熟成させること
- 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
- 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの
- 2年以上の熟成でストレートライウイスキーとなる。
ライ麦は、スパイシーで力強い味わいが特徴。
そのライ麦を51%以上も使ったライウイスキーは、スパイシーで力強さのあるウイスキーとなっています。
この力強い個性がカクテルベースにも重宝されています。
ライウイスキーが必要となるカクテルも数多く存在しています。
ライウイスキーとスイートベルモット、アンゴスチュラビターズを使用したカクテルで、「カクテルの女王」とも称されています。
ウィートウイスキーとは?
ライ麦で作ったライウイスキー同様に、アメリカンウイスキーには小麦で作ったウィートウイスキーというものもあります。
ウィートウイスキーは、原料の51%以上小麦を使ったウイスキーです。
- 原料の51%以上は小麦
- アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
- 内側を焦がしたオーク製の新樽で熟成させること
- 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
- 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの
- 2年以上の熟成でストレートウィートウイスキーとなる。
トウモロコシ原料のバーボンに比べて、小麦を使ったウィートウイスキーは、柔らかい味わい・まったりとしたフレーバーが特徴となります。
なかなか日本では手に入らないですが、ぜひ見かけたら試してみてください。
コーンウイスキーとは?
バーボンはトウモロコシが主原料のウイスキーですが、アメリカンウイスキーの中には、同じくトウモロコシが主原料のコーンウイスキーというものがあります。
- 原料の80%以上はコーン
- アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
- 古樽か、内側を焦がしていないオーク製の新樽で2年以上熟成させること
- 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
- 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの
コーンウイスキーは世界で唯一といっていい熟成の必要がないウイスキーとなります。
そのため、無色透明なコーンウイスキーも数多くあります。
ただし、ストレートコーンウイスキーと呼ぶためには、2年以上の熟成が必要です。
その時の樽もバーボンやライウイスキーなどのように新樽である必要はありません。
むしろ「古樽か内側を焦がしていない新樽」が義務となっています。
コーンウイスキーもなかなか入手しにくいウイスキーですが、ぜひ一度試してみてください。
アメリカン・ブレンデッドウイスキーとは?
アメリカにもブレンデッドウイスキーはあります。
ただアメリカンブレンデッドウイスキーは特殊。なぜならアメリカンウイスキーは異常なほど種類が多いからです。
アメリカンブレンデッドウイスキーの定義は……
- バーボン(テネシーも含む)・ライ・コーン・ウィート・モルトなどそれぞれのストレートウイスキーがブレンドされているもの。
- ストレートウイスキーの比率が20%以上(アルコール度数50%換算)。
- その他のウイスキーやスピリッツのブレンドは可
アメリカンウイスキーの中でも2年熟成以上させたストレートウイスキーが必ずブレンドされていることが条件です。
それ以外は特に厳しい基準はないみたい。
20%使用していればOKですし、スピリッツの添加も許されています。
アメリカンウイスキーにある
「ライトウイスキー」・「スピリットウイスキー」とは?
アメリカンウイスキーの中でもかなりマニアックな「ライトウイスキー」と「スピリットウイスキー」
これらにも定義があります。
- アルコール度数80%(160プルーフ)以上、95%(190プルーフ)以下で蒸留。
- 内側を焦がしていない新樽か古樽に詰めて、熟成。
- ストレートウイスキーを20%未満含むものは「ブレンデッド・ライトウイスキー」。
アルコール度数95%(190プルーフ)以上で蒸留されたニュートラルスピリッツと、各種ウイスキーを5~20%の範囲内で混合したもの。
はっきり言ってほとんど日本では入手できないアメリカのウイスキーです。
というよりスピリッツウイスキーに至っては、ほとんどウイスキーが入っていないので、アメリカ以外では、ウイスキーと呼べるかどうかすら怪しいジャンル。
ただちゃんと味わってみるとうまい銘柄もあります!!
こんなウイスキーもあるんだと知っていただけたら嬉しいです。
カナダのカナディアンウイスキー
カナダのウイスキーというと日本だと「カナディアンクラブ」くらいだと思います。
知っていて「クラウンローヤル」か「アルバータ」くらいではないでしょうか。
日本にはメジャーどころ以外まず入ってきていません。
ファン自体も少ないので、なかなか難しいところではあると思います。
カナディアンウイスキーのほとんどはアメリカで消費されています。
【カナディアンウイスキーの分類】
- フレーバードウイスキー
- ベースウイスキー
- カナディアンブレンデッドウイスキー
- 穀物類を原料
- 酵母によって発酵
- カナダで蒸留すること
- 700ℓ以下の木樽で3年以上熟成させること
- 40%以上でボトリングされたもの
アメリカで消費されている理由としては、アメリカ禁酒法後の流れがあります。
フレーバードウイスキーは、味わいとしてはバーボンに近いようですが、スコッチのモルトウイスキーのような存在。
味わいの骨格となるウイスキーです。
対してベースウイスキーは、スコッチのグレーンウイスキーに近い味わいの下地となるウイスキーです。
そして製品のほとんどはこの二つをブレンドして造られるカナディアンブレンデッドウイスキー。
中でもカナディアンクラブは「プレブレンディング」という独特の製法を採用していて、蒸留したてのそれぞれの原酒をブレンドして樽詰め、熟成させます。
他の製品を見てもカナダのウイスキーは五大ウイスキーの中で一番ライトといわれています。
全体的に軽やかでマイルドな味わいが特徴です。
また、カナディアンウイスキーはフレーバーを添加することも可能となっています。
日本のジャパニーズウイスキー
世界5大ウイスキーの中で最も新しい新参者です。
竹鶴政孝さん、鳥井信治郎さんなど日本の本格ウイスキーの道を切り開いた人たちがスコッチウイスキーを踏襲して作ってきました。
そのためスコッチウイスキーに似ているものが多いです。
しかしほかの5大ウイスキーと違って法律の規制が少なく、自由なウイスキーが造れる利点があります。
【ジャパニーズウイスキーの分類】
- モルトウイスキー
- グレーンウイスキー
- ブレンデッドウイスキー(ワールドブレンデッドも含みます)
最近になって日本洋酒酒造組合がウイスキーに対して自主基準を発表しました。
あくまで法の縛りではないですが、組合の決まりができ「ジャパニーズウイスキー」とは何なのかがはっきりとしました。
- 穀物類を原料、日本国内で採水された水を使用
- 糖化・発酵・蒸留を日本の蒸留所内で行うこと
- アルコール度数95%以下で蒸留
- 木製の樽で3年以上熟成させる。
- 40%以上でボトリング。
日本のウイスキーで共通して感じるニュアンスは「繊細さ」だと思います。
個性もありつつ飲みやすくもあり、絶妙なバランスのウイスキーが多いです。
スコッチを踏襲して今の地位を築いたジャパニーズウイスキーですが……
- ニッカのカフェモルト、カフェグレーンのようにスコットランドではできない商品をリリースしたり、
- 富士御殿場蒸留所のようにバーボンやカナディアンの技術を取り入れたり、
- 静岡蒸留所の薪焚きポットスチルや三郎丸蒸留所さんの鋳物スチルにように独自の実験をしてみたり
と新しいことにチャレンジし、それがまた世界から評価されています。
日本人の先人たちが海外に示してきた「職人気質」な部分があるからこそ、新しいことが期待にかわるのかもしれないですね。
また今の日本の酒税法にはボトリング時の最低アルコール度数がありません。
つまりコンビニなどでのハイボール缶をウイスキーの品目のまま販売することができます。
手軽な缶ハイボールや居酒屋などでビールサーバーからハイボールが出てくる樽詰めハイボールなどは独自の文化といってもいいと思います。
ただ缶ハイボールは、炭酸飲料みたいなレモンの香料の香りを感じるときがあるのでがっかりするものもありますが……。
ジャパニーズウイスキーの問題
国内生産の原酒しか使ってはいけないというルールがないので、ワールドブレンデッドウイスキーというのも作れます。
それ自体は全く問題なく、いいウイスキーもたくさんあります。
しかし!!
今の日本では、国内生産の原酒がほとんど入っていないのにジャパニーズウイスキーとして販売することができてしまうということが問題になっています。
そのような製品が「ジャパニーズウイスキー」として世界的な賞を取って大きな問題になりました。
また麹を使い焼酎と同じ製法で造った原酒を樽熟成してウイスキーとして販売する製品もあります。
ここも業界内では問題になっています。
美味しければ問題はないのですが、安さからこういったウイスキーを初めて飲んでウイスキーが苦手になってしまう人がいるのも事実。
僕のブログでは本格的なウイスキーを造っている蒸留所を応援したいと思っております。
これからもジャパニーズウイスキーは特に厳選してご紹介していきます。
世界5大ウイスキー以外のウイスキー
現在、世界的なクラフトウイスキーブームが来ていて、世界中でクラフト蒸留所が建設され、ウイスキーが造られ始めています。
その多くのベースとなっている技術がスコッチウイスキーのモルトウイスキーです。
その中でそれぞれが独自のウイスキーを造っています。
特にお勧めしたいのが蒸留所は台湾のカバラン蒸留所です。
5大ウイスキーの産地でも多くのクラフト蒸留所ができていますが、
それ以外の国でも同じようにクラフト蒸留所が建設、稼働しています。
そしてその蒸留所で造られた原酒たちがリリースされる日を心待ちに熟成中です。
もうリリースの始まっているクラフト蒸留所もあります。
ウイスキーの新しい時代、楽しみですね!
世界5大ウイスキーをそれぞれ味わってから、ウイスキー新興国の新しい風も感じてみるのもいいかと思います。
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか??
世界5大ウイスキーについてその定義を中心にまとめていきました。
ただそれぞれに個性があり、様々なタイプのウイスキーが作られています。
ぜひ世界5大ウイスキーのポイントを抑えて、ウイスキーをより楽しんでいただけたらと思います。
それではよいウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いいたします。
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