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ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のお話は、「ウイスキーエキスパート」についてです。
ウイスキー文化研究所が行っているウイスキーの資格制度「ウイスキーコニサー」。
ウイスキーコニサー資格の中でも
- 「ウイスキーエキスパート」
- 「ウイスキープロフェッショナル」
- 「マスター・オブ・ウイスキー」
の3ランクがあり、初歩の資格となるのが「ウイスキーエキスパート」です。
今回はウイスキーエキスパートとは何なのか?
ウイスキーエキスパートの資格を取得するメリット・勉強方法とは?
についてまとめていこうと思います。
また最後に「ウイスキーエキスパート」に向けて、簡単な模擬問題を作ってみました!
ウイスキーエキスパートの試験を受けようと思う方は参考にしてみてください。
ウイスキー文化研究所認定
ウイスキーエキスパートとは?
ウイスキー文化研究所が主宰しているウイスキーの資格制度「ウイスキーコニサー」。
第1段階の「ウイスキーエキスパート」は「筆記試験」のみで合否が決定します。
この試験に合格した方は、「ウイスキー文化研究所認定ウイスキーエキスパート」と名乗ることができ、「ウイスキープロフェッショナル」試験を受ける資格を得ることができます。
ウイスキー文化研究所とは?
ウイスキー文化研究所(旧スコッチ文化研究所)は、ウイスキー評論家の土屋守が代表を務める会員制の愛好家団体です。その対象はスコッチウイスキーにとどまらず、広く世界のウイスキーとその文化を学ぶため、日々研究、情報の収集、そして発信を行っています。2001年3月の発足以来、国内外のウイスキー、酒文化全般をより深く知るため、研究範囲と活動を拡げ、そこに関わる多くの人々と様々な取り組みを企画・立案、実施してきました。と同時に、愛好家や飲み手の育成、ウイスキー文化の普及にも努めています。スコッチやその他のウイスキーに興味のある方、あるいは当研究所が主宰する ウイスキーコニサー資格認定試験 や ウイスキー検定 に興味のある方なら、どなたでも会員になれます。
(引用:ウイスキー文化研究所、「ウイスキー文化研究所とは」より)
ウイスキー文化研究所とは、日本のウイスキー評論家:土屋守さんが代表を務めるウイスキー愛好家団体です。
会員制の団体となっていて、ウイスキー文化研究所会員には、隔月で同団体が出版している「ウイスキーガロア」が届きます。
その他会員特典として、ウイスキーセミナーやイベントなどの優先チケット・特別割引、会員限定のウイスキーなどもあります。
そのウイスキー文化研究所が行っているウイスキーの資格制度が「ウイスキーコニサー」です。
ウイスキーの資格制度『ウイスキーコニサー』とは?
「コニサー」とは「鑑定士」という意味。
ウイスキーのあらゆる知識や鑑定能力を問う資格制度となっているそうです。
現在、第1段階のウイスキーエキスパート合格者は2400名程度(2020年までのデータ)。
毎年300~400名程度の受験者がいて、190名ほどの合格者が出ています。
酒類の輸入・流通・販売会社の方からバーテンダー・飲食業界の方が多く受験しています。
また、最近では、酒類業界に入りたい学生の方の受験も増えているそうです。
ウイスキーエキスパートとは?
ウイスキーコニサー試験の第1段階である「ウイスキーエキスパート」。
毎年8月ぐらいから申し込み受付を開始。10月下旬に試験が行われます。会場は東京と大阪。
受験料はウイスキー文化研究所会員の場合18700円、一般受験の場合22000円となっています。
2021年度からウイスキー文化研究所会員以外でも受験できるようになりました。
ウイスキーエキスパート 受験者データ
ウイスキーエキスパートの合格者は2021年現在、2400名ほど。
直近の2020年の試験では、387名の方が受験し195名の合格者が出たそうです。
大体毎年、合格率は50%前後となっています。
詳しいデータは「ウイスキー文化研究所の受験者データ」をご覧ください
ウイスキーエキスパートの難易度
合格率50%前後と資格試験としては、そこまで難しくない試験だと思います。
ただウイスキーエキスパート試験ならではの「注意点」があります。
ウイスキーエキスパート試験で僕が注意すべきと思う点は2点。
- ある程度細かくウイスキーの知識を覚える必要がある。
- 1問1点で100問あるので、時間配分に注意。
ウイスキーエキスパートの問題は、すべてマーク式の選択問題です。
なので、ある程度ならうろ覚えでも消去法で答えられることができます。
大麦の英語名とは?英語で次の中から選びなさい。
- malt
- barley
- cereal
- grain
この答えは、②のbarleyです。
①のmaltは、「大麦麦芽」のこと。発芽しているかしていないかで英語名が変わるので要注意が必要なところです。
また③のcerealは「穀物」の総称を指すことがありますが、基本的には穀物加工食品のことを指します。
そして④のgreinは収穫された穀物のこと。
今回の問題なら、cerealとgrainはともに「穀物」を指す言葉として消去して、実質2択として考えることも可能ですよね。
ただこういった問題も多くあります。
この中でスコッチウイスキーと呼べるものはいくつあるでしょう。
- 他社のビール会社で糖化・発酵は委託し、自社の蒸留所で蒸留、グラスゴーの集中熟成庫で熟成させた。
- スコットランドの熟成庫で3年間熟成したのち、ステンレスタンクに詰めてスコットランド国外へ移送し、国外でスコッチブレンデットウイスキーとして瓶詰め・販売を行った。
- 熟成用の樽はアメリカンオーク樽を使用したが、追加熟成用の樽の一部をさくら材に変えフィニッシュさせた。
- 蒸留時にアルコール度数93%で蒸留し、63%まで加水してから熟成樽に詰めた。
- 熟成のフィニッシュに焼酎を熟成させたミズナラ製の空き樽を使用した。
この正解は3つです。
① は、糖化・発酵・蒸留はスコットランドの蒸留所で行わなくてはいけないため、スコッチウイスキーとは言えません。
ただし、ビール醸造所施設内にウイスキー蒸留所がついている場合は許可されています。
② は、シングルモルトでは許されていない方法です。
ただブレンデッドウイスキーならステンレスタンクに詰めたウイスキーをスコットランド国外でのブレンド・製品化は許されています。そのためスコッチウイスキーと呼ぶことができます。
③ …スコッチウイスキーでは熟成の樽はすべてオーク樽のみです。一部だけでもほかの木材の使用はできません。
そのためスコッチウイスキーとは言えません。
④ …スコッチウイスキーの蒸留上限は94.8%となっています。そのため、93%で蒸留しても問題はありません。
スコッチウイスキーと呼ぶことができます。
⑤ …2019年6月改正された SWA の定義で、添加物のないスピリッツは許可されたため焼酎の樽で熟成させることは可能です。これもスコッチウイスキーと呼ぶことができます。
実際トマーティン蒸留所で限定ボトルとしてリリースされました。
このようにひっかけに近い問題や「〇〇なのはいくつあるでしょう」を問われる問題は多くあります。
なので確実に合格したければ、細かいところまで知識を入れておく必要があります。
また、このように選択肢の文章が長い問題も多いです。まともに全部読むと時間が足りなくなると思います。
文章を軽く読んで、ポイントを見つけられるようにするといいでしょう。
ウイスキープロフェッショナルの資格を取得するメリット
資格取得してよかったと思う点は2点あります。
- お酒業界、飲食業界なら仕事に活かせる。
- ウイスキーの知識が少し深くなる。
ウイスキーコニサー資格を知っているお酒業界・飲食業界なら、ウイスキーエキスパート資格を持っていると「時給」や「特別給」の対象になることがあります。
ウイスキーの専門性が問われる試験なので、ウイスキーを商売としている業界には優位かもしれません。
また、エキスパート試験のためにウイスキーの勉強をすることでより深いウイスキーの知識を得ることができます。
個人的にウイスキーの資格保有者として活躍したければ、ウイスキープロフェッショナルを目指した方がいいと思います。
記述問題も多いので、エキスパートとプロフェッショナルでは必要となる情報量が雲泥の差です。
ウイスキーエキスパートの勉強方法
僕がおすすめしたいウイスキープロフェッショナルの勉強方法は、3つ!
- ウイスキー文化研究所の「コニサー教本」「ウイスキー検定」をノートにまとめる。
- 時間を計りながら、ひたすら過去問題集を解く。
- ウイスキー最新情報は「ウイスキーガロア」をチェック。
ウイスキー文化研究所の「コニサー教本」「ウイスキー検定」をノートにまとめる。
現在、上・中・下と3部に分かれているウイスキーコニサー教本。
基本的にこの内容が試験内容となります。そのためこの教本の内容が理解できていれば、ウイスキーエキスパートはほぼ合格できると思います。
また、ウイスキーコニサー教本の内容だけでなく、「ウイスキー検定テキスト」や「モルトウイスキー大全」などもチェックしておくことをお勧めします。
ウイスキーコニサー教本は、製造面や各国のウイスキーについての歴史・情報は深いですが、主要蒸留所の情報は「ウイスキー検定テキスト」や「モルトウイスキー大全」の方が深かったりします。
そういったところから出題されることもあるので要チェックです。
時間を計りながら、ひたすら過去問題集を解く。
ウイスキーエキスパートは、問題がすべて選択式、マーク式です。
過去問題を解き続けて慣れてくれば、見直しの余裕もできると思います。
ひっかけにも対処しやすくなると思うので、ひたすら過去問を解くのはかなり効果的です。
また、エキスパートの過去問でアベレージ90点以上取れるようになってきたら、次の「ウイスキープロフェッショナル」の過去問にチャレンジしてみてください。
もしかしたら、合格点すら取れないかもしれません。
なぜなら、ウイスキープロフェッショナルの問題は記述式が多いので、ほとんどノーヒントだからです。
このノーヒント問題に答えられるようになってきたら、エキスパートの問題はかなり楽になると思います。
※現在ウイスキーエキスパート過去問題集しか無く、ウイスキープロフェッショナル過去問題集が手に入らないようです。
ウイスキー最新情報は「ウイスキーガロア」をチェック。
ウイスキーの最新情報は、ウイスキー文化研究所が出版している「ウイスキーガロア」からチェックするといいと思います。
各号主テーマについて深くまとめてあり、新入荷のウイスキーやガロアテイスターによるウイスキーテイスティング評価などの情報が載っています。
ウイスキーエキスパートを勉強するうえでかなり勉強になる雑誌ですし、ウイスキーを深く勉強するうえでも参考になる雑誌だと思います。
ウイスキーの勉強におすすめ!スコッチウイスキー蒸留所一覧ページはこちら
ウイスキーエキスパートの予想問題
最後に、予想問題と僕なりの解答例、解説をまとめました。
普段は過去問や教本を中心に勉強してください。
問題
1.この中で、スコットランドの守護聖人を答えよ。
① 聖パトリック
② 聖アンドリュー
③ 聖ジョージ
④ 聖デイヴィット
2.スコットランドの産業・人口の中心である三角地帯でないものを答えよ。
① パース
② グラスゴー
③ インバネス
④ エジンバラ
3.ディアジオの所有するモルトウイスキー蒸留所の中で最小の生産規模のものはどれ。
①Blair Athol
②Glen Ord
③Oban
④Royal Lochnagar
⑤Mortlach
4.次の中でアメリカンウイスキーでないものはいくつあるでしょうか
Heaven Hill/The Boders/ Jim Beam/Bulleit/Black Water/Black Velvet/Crown Royal/
Bladnoch/Eden Mill/Corsair/Wilett/Lindores Abbey/Old Grand Dad
解答
1.この中で、スコットランドの守護聖人を答えよ。
- 聖パトリックはアイルランド
- 聖ジョージはイングランド
- 聖デイヴィットはウェールズ
となっています。間違いやすいので気を付けてください!
2.スコットランドの産業・人口の中心である三角地帯でないものを答えよ。
グラスゴー、パース、エジンバラがスコットランドの産業・人口の中心となっています。
3.ディアジオの所有するモルトウイスキー蒸留所の中で最小の生産規模のものはどれ。
ロイヤルロッホナガーはディアジオ最小規模の蒸留所となっています。
ただし、最近になってブローラとポートエレンが復活したので、そっちが最小になっているかもしれません。
最新情報をチェックした方がいいでしょう。
4.次の中でアメリカンウイスキーでないものはいくつあるでしょうか
アメリカンウイスキー
- Heaven Hill
- Jim Beam
- Bulleit
- Corsair
- Wilett
- Old Grand Dad
スコッチウイスキー
- The Boders
- Bladnoch
- Eden Mill
- Lindores Abbey
アイリッシュウイスキー
- Black Water
カナディアンウイスキー
- Black Velvet
- Crown Royal
となっています。
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話はいかがだったでしょうか?また予想問題の結果はいかがだったでしょうか??
難しく勉強方法も書きましたが、一番はウイスキーを楽しむことだと思います!!
ぜひ楽しみながら、ウイスキーの資格勉強してみてください!
ご受験される方、応援しています!!
それでは、良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いいたします!
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