本日はザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティの『72.99』をテイスティングレビューしていきます。
『72.99』について
世界で最もカラフルなウイスキークラブ「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」。
今回レビューするボトルは「72.99」です。
72はグレンバーギのコードなので、グレンバーギ蒸留所の原酒の中で99番目にボトリング一本となります。
グレンバーギは、有名なブレンデッドウイスキー”バランタイン”を構成する主要モルトウイスキーです。
グレンバーギがなかったら、”ザ・スコッチ”と呼ばれる「バランタイン17年」は誕生していなかったかといわれるほど、バランタインには重要なウイスキーとなっています。
現在、オフィシャルのリリースは、バランタインブランドのシングルモルトのみ。
オフィシャルではアメリカンオークのバーボンカスクにこだわっていますが、72.99は最後にラム樽でフィニッシュさせています。
しかも、7年となかなか出回らない短期熟成のグランバーギです。
ラム樽で短期熟成のグレンバーギ……。
ウイスキーファンからするとどんな味なんだろうと想像力を掻き立てられます。
キャラクターは……
- 7年熟成
- アルコール度数は61.4%
- EXバーボンバレルで4年間熟成後、リフィルラムカスク(パナマ産)でフィニッシュ
タイトル
海賊の船刀のような鋭さ / SHARP AS A PIRATE’S CUTLASS
公式のコメント
[香り]ダビンワックスを塗ったばかりのブーツ、芝生、野草、クチナシ、パイナップル、タバコの葉を思わせる、丘の上の散歩道。ビーフジャーキー、チリフレーク、ハンバグキャンディ、バニラ、オッドフェローズのお菓子。控えめな香りは、花畑に降り注ぐ太陽の光、磨かれた木、レーズンの箱、バナナフリッターとキャラメルソースを添えたアイスクリームを連想させる。
[味わい]口に含むと、ラム酒でフランベしたバナナ、デーツ、カフェラテのようなジューシーな味わいになり、フィニッシュにはアニスボールとクローブが現れる。
バーボン樽で4年間熟成させた後、パナマ産のラム樽に移し替え。
公式のコメントから想像するに……
かなりラム樽のニュアンスが出ているのかなと思います。
トロピカル系のフルーティさと革やたばこの葉が記載されていることから、このウイスキーの複雑さがうかがえます。
全体的には、華やか系のフレーバーでまとまっていそうですね。
- 7年の熟成でどこまで複雑さが出ているのか
- そもそもグレンバーギは短期熟成向きなのか
- 高いアルコール度数がネックになっていないのか
- タイトルのような「キレ」はあるのか
などボトルやコメントからはなかなか連想しにくいウイスキーかなと思います。
『72.99』レビュー
アルコール度数 | 61.4% |
---|---|
年数 | 7年 |
ボトル容量 | 700ml |
価格帯 | 終売品 |
おすすめ度 | 91/100 |
コメント
ストレート
「なんだこれ!!」と想像を超えた味に驚くウイスキー。
香りや見た目からは想像できないほど複雑でボディもあります。
ワックスのようなオイリーさとクリーム、バナナとパイナップルのふくよかなフルーティさが口いっぱいに広がりますが、そのフレーバーが想像より強く、驚かされます。
そしてタイムのようなハーブのさわやかさが一瞬吹き抜け、レーズンの甘い余韻がゆっくりと広がっていきます。
まず7年熟成とは思えないほど深く複雑です。
そして61.4%のアルコール度数とは思えないほど、口当たりが優しい。
謎を追求しているうちに一杯無くなってしまい、また一杯飲んでしまいたくなるウイスキーです。
トワイスアップ
トロピカルな香りが爆発的に感じられるようになります!!
バナナ、パイナップルに白い花が飾られているようなすごく華やかな南国の香り。
口当たりが優しくかなり甘いです。
ストレートの時に感じたタイムのようなハーブ香とレーズンはなくなり、南国フレーバーに全振りしているような印象を受けます。
余韻もバナナとバニラの香りで、ストレートの時の全然違う顔で驚きです。
本当に面白いウイスキーだなぁ。
ロック
華やかでトロピカルな香り。
ただ、少し香りは弱く感じるかもしれません。
口に含んでみるとロックなのに少し甘みを感じます。
アルコールの刺激は61.4%を考えるとかなり優しく、呑み込んだ後にカッと熱くなる程度。
黒糖のど飴のようなほんの少しのハーブ香と黒糖の甘いフレーバー。
ストレートの時よりタイムのハーブ香が強く感じるかもしれません。
氷が溶けることで味わいが変化するのが面白い
ハイボール
青リンゴにバナナとシトラスの香り。
口当たりが優しく、華やかで甘いです。
ボディを感じるのにさわやかで、白い花が咲く花畑のような「春」を連想させられるかなと思います。
少しのバニラのフレーバーも感じますが、後味に少し苦味が気になります。
高いアルコール度数を割ったからか、後味のバランスが少し悪いです。
バランスをとるのが少し難しいかな……。
水割り
青リンゴとトロピカル香。優しい口当たりから、一瞬だけ苦身を感じたあと、華やかでフルーティなフレーバーが口いっぱいに広がります。
少しメロンっぽいような印象もあり、なんかフルーティな日本酒のような味わいです。
度数も近いですし、口に残るまろ味とテクスチャがかなり近いかなと思います。
余韻はハイボールより少し深く感じます。
水割りにしてはボディがしっかりと感じられておすすめ!
お湯割り
バナナやバニラの甘く優しい香り。白い花を連想させるような華やかな雰囲気もあります。
優しく沁みる口当たりにバナナとパイナップル、バニラ、少しハッカっぽいハーブ香が楽しめます。
まず驚くほど甘いです。
ただくどいわけではなく、自然な甘さでまるでこたつに入りながらマンゴープリンを食べているような……。(笑)
アフターで高級感があるバニラの深いフレーバーが広がり、その余韻が深ぐ長く続いていきます。
甘みが感じやすく、華やかでリッチ。
レビューまとめ
正直、61.4%と高すぎるアルコール度数に7年と短期の熟成期間だったので、かなりとげとげしいかなと思っていました。
かなりしっかりとした甘みで、高いアルコール度数もそこまで気にならないほど口当たりが滑らか。
特にストレートやトワイスアップ、ロックが個人的にはかなりおすすめできる一杯かなと思います。
そして、一番驚いたのはお湯割りでした!!
とにかく甘い!!
上品でくどさはないですが、舌に残る甘みが絶妙でした。
逆にハイボールや水割りだと少しバランスが崩れて感じてしまったかなと思います。
もしかしたら61.4%のアルコール度数でハイボールや水割りをおいしく作るにはもっと技術がいるのかもしれません……。
タイトルの「海賊の船刀のような鋭さ」から連想させられそうなキレはそこまでなく、陽気な海賊だったのかな?と思います。(笑)
公式のコメントにあった……
- 「タバコの葉を思わせる」
- 「ダビンワックスを塗ったばかりのブーツ」
もこれがそうかなって思うフレーバーは感じますが、公式のコメントを見てなかったらわからなかったかもしれません。
あくまでも、個人の意見なので参考程度に……
飲み方別おすすめ度
飲み方 | おすすめ度 |
---|---|
ストレート | 5 |
トワイスアップ | 5 |
ロック | 5 |
ハイボール | 3 |
水割り | 3.5 |
お湯割り | 5 |
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最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか??
「グレンバーギの7年熟成、ラムカスク」となかなか珍しいキャラクターで、オフィシャルではまず出回ることはないかなと思います。
こういったウイスキーと一期一会の出会いができることもボトラーズウイスキーのメリットではないでしょうか。
ソサエティのボトルは、こういったファンなら気になる一本が特に多いかなと思います。
ウイスキー好きの皆さん、ぜひソサエティのボトルをチェックしてみてください!
それでは良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いします!!
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