ホットソースの一種である「タバスコ」。
カテゴリー名よりも商品名の方が知名度がある調味料ですが、実はウイスキーと同じく3年間オーク樽で熟成させて作られています。
唐辛子の熟成に使う樽はジャックダニエルの樽。
そしてタバスコの樽で熟成されたウイスキー銘柄も限定リリースされました。
知名度の高いホットソース「タバスコ」ですが、大量生産のイメージが強いと思います。
ところが、タバスコの製法は手摘みで収穫された唐辛子を使い、3年間オーク樽で熟成。
大量生産とはかけ離れたような手間暇かけた製法で作られています。
今回は、ウイスキーとタバスコの共通点からタバスコの魅力に触れていこうと思います。
タバスコとは??
タバスコはアメリカで誕生したホットソース(唐辛子の辛み調味料)。
一般名称のように扱われていますが、ルイジアナに本拠を置く「マツキルヘニー カンパニー」の所有する登録商標です。
現在、日本で販売されているタバスコは、6種類。
- TABASCO®オリジナルソース
⇨スタンダードなタバスコ - TABASCO®ハバネロソース
⇨ハバネロを使用した激辛タイプ - TABASCO®ハラペーニョソース
⇨ハラペーニョを使用したマイルドタイプ - TABASCO®チポートレイソース
⇨完熟したハラペーニョをピーカンの木で燻製したスモーキータイプ - TABASCO®ガーリックソース
⇨にんにくを加えた香り高いタイプ - TABASCO®スコーピオンソース
⇨スコーピオンペッパーとグアバ、パインを組み合わせたソース。通常のタバスコの10倍の辛さ
バラエティー番組などで罰ゲームとして使われることもありますが、手摘みの唐辛子をオーク製の樽で3年間熟成し酢と足して製品化されています。
知らない人が多いけど、実は箱の裏一面に大きく記載されているよ!
タバスコの歴史
タバスコは、アメリカのルイジアナ州エイブリー島に本社を置くマキルヘニー社の創業者エドモンド・マキルヘニーが開発したソースです。
エドモンドはもともとニューオリンズで銀行員をしていました。
スコットランド人とアイルランド人の血を引く、美食家としても有名だったそうです。
タバスコの開発は南北戦争の時代にさかのぼります。
エドモンドはメキシコのタバスコ州から帰還した南軍兵士から、チレ・タバスコという種のトウガラシの種をいただき、栽培してみることにします。
ところが、すぐにニューオリンズが北軍に陥落。
エドモンドは妻の実家があるエイブリー島に移り住むことにしました。
そこでチレ・タバスコを栽培し始めますが、エイブリー島も北軍に陥落。
エドモンドは泣く泣くテキサス州に逃げます。
1865年の終戦後、エイブリー島に戻ったエドモンドは荒廃した地に1株のチレ・タバスコが生えているのを発見。
これで調味料を作り、立ち上がって見せようと決意します。
チレ・タバスコとエイブリー島名産の岩塩で調味料が作れないかと開発を開始。
試行錯誤の末、完成したチレ・タバスコの調味料を、エドモンドは周りの人たちに配りました。
結果は大好評!!
この時に1滴ずつ使えるように香水の小瓶で配ったのも高評価でした。
今度はこれを全米に向けに「タバスコ」の商標を付けて350瓶を問屋へ送ったところ追加注文が殺到。
全米で人気商品となっていきます。
そして全世界に「タバスコ」が広まっていきました。
タバスコの製法
タバスコは1日約70万本も生産されていますが、約5年かけてつくられています。
原料のタバスコペッパーは唐辛子の中でも非常に小さく、機械で収穫しにくいそうです。
そのため、今(2019年時点)でも手作業で唐辛子を収穫しています。
タバスコに使われる唐辛子の栽培は、エイブリー島のほかルイジアナやメキシコ、ベネズエラなど契約農場のみです。
各地で収穫されたタバスコペッパーは、1時間以内に塩を加えてすりつぶしペースト状に。
ペーストは、一度エイブリー島に集結します。
集結したペーストは、樽に詰めて3年間熟成させます。
1日に約100バレル(約1万5900ℓ)が樽に詰められるそうです。
しっかりとふたをした後、気密性を高めるためにフタの上を大量の塩で覆います。
熟成期間は最低でも3年間です。
熟成させ、水分がほとんど抜けたタバスコペッパーのペーストを2~3週間かけて酢と混ぜ合わせます。
毎日約4万5400ℓものお酢を仕入れているそうです。
3週間ほど酢と混ぜ合わせたら、不純物を取り除く工程に移ります。
約1907ℓの酢と混ぜたものは、約544gもの不純物(ほとんどが種)です。
不純物を取り除いたのち、ボトリングしてタバスコが出来上がります。
ウイスキーとタバスコって合うの??
最後に自分の考察ですが、「ウイスキー」と「タバスコ」の相性について考えてみました。
ウイスキーとタバスコを考えるうえで、ウイスキーと唐辛子から考えてみるといいかなと思います。
ウイスキーと唐辛子は、結構相性がいいです。
唐辛子には、「辛味」以外に「甘み」と「うまみ」が隠れています。
粉末の唐辛子だと「甘み」や「うまみ」を感じにくいですが、生の唐辛子は結構「甘み」と「うまみ」が強いです。
経験上ですが、唐辛子のダイレクトな「辛味」はウイスキーと合いにくい傾向があります。
とがった「辛味」はウイスキーの味わいを感じにくくしてしまい、合うとは言えないものとなってしまいます。
ウイスキーと合わせるなら、うまく唐辛子の「香り」「甘み」「うまみ」を出しつつ「辛味」を抑えることがポイントかなと思います。
そのうえでタバスコは、辛味が強いものの熟成により現れた「まろやかさ」と「酸味」そして「塩気」と唐辛子の「甘み」や「うまみ」を感じられる調味料。
タバスコを全面に使うとウイスキーの香味が負けてしまいますが、程よく料理に使っていくと合わせやすいかなと思います。
ぜひタバスコを使った料理とウイスキーのペアリング試してみてください!!
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか??
タバスコと意外なつながりがあるウイスキー!!
こういったストーリーや製法のつながりを知ってからペアリングを作ってみると面白いフードペアリングが楽しめると思います。
ぜひご家庭で試してみてはいかがでしょうか??
それでは良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いします。
コメント
コメント一覧 (1件)
タバスコ風味のウイスキーとは、興味深いですね(≧∀≦)
タバスコは、樽で発酵中に樽から内容物が溢れるようで、その時に塩が蓋で固まり、強固なバリアを形成すると聞いたことがあります(‘ω’)
まさかジャッダニの樽とは知りませんでした(^^;;