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人生の熟成がまだまだ足りていないウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のテーマは「ウイスキーになぜ12年が多いのか。」そして、「おすすめの12年物ウイスキー」についてです!!
よく「年数表記」があるウイスキーを見ると思います。
その中であることに気が付きませんか??
そう、
「12年」のウイスキーってすごく多い!!
違い銘柄のウイスキーでも12年物のラインナップは多いかなと思います。
「10年」の方が区切りがいい気がしますが、
それでも「10年物」のウイスキーより「12年物」のウイスキーの方が多く見かけるのではないでしょうか。
実は、「12年」には大きな理由があります。
今回はウイスキーに「12年物」が多い理由、そして僕がおすすめしたい12年物のウイスキーについてまとめていきます!!
「12年物」のウイスキーが多い理由
冒頭でも書いたように、「12年」と書かれたウイスキーって結構多いですよね。
年数表記のあるウイスキーでは、最も多いような気がします。
「12年」→「10年」→「15年」→「18年」……
この順でラインナップが増えているような気がいます。
ではなぜ「12年物」が多いのでしょう。
その理由は、ウイスキーの熟成年数の表記のヒミツから紐解いていこうと思います。
ウイスキーの熟成年数の表記のヒミツ
ウイスキーのラベルに書かれている「12年」や「10年」といった熟成年数の表記。
実は、「12年や10年熟成させた」という意味ではありません!!
例えば、ウイスキーのラベルに「12年」と表記されていたら、
「12年以上熟成させた原酒が使われています。」という意味です。
上の図のように、ウイスキーは「ブレンドされている原酒の中で、一番短い熟成年数」が表記されます。
(ジャパニーズウイスキーなど、一部ウイスキーに関してはこの限りではないです。)
シングルモルトだろうと、ブレンデッドウイスキーだろうと、
ウイスキーは基本的に原酒をブレンドしてボトリングされています。
シングルモルトは「一つの蒸留所のウイスキー」という意味。
一つの蒸留所内の原酒ならブレンドしても構いません。
味と品質を一定に保つため、「ブレンド」が行われます。
そのブレンドした原酒の中で、一番短い熟成年数のウイスキーが表記されている年数です。
例え、25年熟成させた原酒が一番多く使われていても、12年物の原酒がブレンドされていたら「12年」です。
比率も関係ありません。
『12年』の表記が多い理由
- 熟成を重ねていくごとに、減っていく「スピリッツらしさ」
- 熟成させるごとに増えていく「ウイスキーの個性」
- 熟成にかかる「コスト」
- 熟成によって変わる「味のバランス」
ここに注目してみてみると「12年」の理由が見えてくるのではないかなと思います。
熟成を重ねていくごとに減っていく「スピリッツらしさ」
蒸留したてのウイスキーは、良くも悪くも様々な風味があります。
ウイスキーは熟成させるごとにまろやかになっていき、揮発する香りが飛んでいきます。
その中には「オフフレーバー」と呼ばれる「いやな印象を与えるフレーバー」もあれば、
「飲みごたえ」を与えるスピリッツらしいフレーバーもあります。
特に、ウイスキーのフレーバーで有名な「スモーク香」。
このフレーバーは、熟成を重ねるごとに減っていきます。
どれだけ減っていくか、どれくらい残るのかは熟成させてみないとわかりません。
樽によって大きく変わるそうです。
ただ、平均的に「スピリッツらしさ」と「ウイスキーらしさ」のバランスがいい場所が「12年」だそうです。
熟成させるごとに増えていく「ウイスキーの個性」
ウイスキーは熟成させていけばいくほど、樽由来の「個性」が増えてきます。
特に「木香」や「ドライフルーツのような」、「鉛筆のような」香りが強くなりやすいです。
こういったフレーバーもどれだけ出てくるか樽ごとに大きく変わります。
例えば新樽を使うと、早く「鉛筆っぽいフレーバー」が出てくるので熟成年数は短くなります。
また、小さい樽で熟成させると原酒と樽の接地面積が大きくなるので樽からの個性が出やすいです。
他にも樽材の質、樽材成分の多さなどなど、様々な要因で出てくる個性派変わるそうです。
ただ、古樽を使うことが多く寒い地域のスコットランドやアイルランドは「12年」のバランスがいいことが多いといわれています。
熟成にかかる「コスト」
ウイスキーに限らず、樽で熟成させると年々中の原酒が蒸散し減っていきます。
「エンジェルズシェア(天使の分け前)」という現象です。
昔の人は、天使がウイスキーを飲んだことで、樽の中のウイスキーがおいしくなる「分け前」をくれていると考えていたそうです。
大体スコットランドで年間2~3%の原酒が減っていきます。(初年度は6%程度減るそうです。)
今のスコットランドで主流は200ℓの樽です。
仮に200ℓパンパンにウイスキーを詰めたとして、毎年2%減っていったら12年後には153ℓ程度になっています。
さらに、18年熟成させたら136ℓ程度です。
減っていけば減っていくほど原価が上がっていきます。
また高アルコールのウイスキーは引火しやすいです。もし火災に巻き込まれたら一発ですべてを失います。
他にも、樽から原酒が漏れる心配もあります。
熟成を重ねるごとに「熟成の希少価値」だけではなく、原価も上がっていくのです。
コスト面を考えてもバランスがいいのが「12年」だと言えます。
熟成によって変わる「味のバランス」
「12年物のウイスキー」がなんとなくバランスがいいということはわかったと思います。
実は、このバランスこそ重要!!
ブレンデッドウイスキーは特にバランスが重視されています。
料理人ならではの応急処置ですが、自家製のマヨネーズを作ろうとしたとき失敗してしまい分離させてしまったとします。
その時に、近くに市販のマヨネーズを少し混ぜるとうまく乳化させることができることが多いです。
つまり、
味わいのバランスをとるとき、元々バランスのいいものを中核にするとバランスがとりやすいです。
そしてそこから味わいや香りを広げやすくなります。
シングルモルトでも、ブレンデッドでも「バランスの良さ」が12年物のウイスキーが多くなった大きな理由だそうです!!
おすすめの12年物ウイスキー
それでは、おすすめの12年物ウイスキーをご紹介していこうと思います!!
- リーズナブルな価格で、深みのある複雑な味わい
- 一部サイトでは3000円以上してしまうことがある
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・スペイサイド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | バーボン樽とシェリー樽 |
熟成年数 | 12年 |
グレングラント蒸留所の定番ボトルの一つで、12年以上熟成された原酒のみを使用した一本。
「10年」より熟成感があり、よりリッチなテイストです。
青リンゴのようなフルーティさにフローラルなフレーバー。
レーズンとスパイスにシリアルの印象があり、余韻が長く続きます。
10年に比べてほのかにシェリー樽のニュアンスが強く感じます。
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・スペイサイド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | バーボン樽、シェリー樽 |
熟成年数 | 12年 |
世界で最も愛飲されている(※IWSR2019より)シングルモルトウイスキー「グレンフィディック」のフラグシップボトル。
洋ナシやレモンを思わせる軽快なフルーティさが特徴。
バーボン樽とシェリー樽で12年以上熟成させた原酒を組み合わせることで、滑らかで繊細なコクのある味わいに仕上げています。
クセがなく、多くの方が飲みやすいと実感できる味わいです。
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド・スペイサイド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | アメリカンオーク |
熟成年数 | 12年 |
「シングルモルトの原点」といわれているグレンリベットのフラグシップボトル。
フルーティで蜂蜜やバニラのような甘みを伴う芳醇でソフトな風味が特徴です。
フルーティで華やかなお王道もスペイサイドモルトスタイルで、飲みやすくクセのない味わいから世界中で愛飲されているボトルとなっています。
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド・アイラ |
アルコール度数 | 40% |
樽 | ‐ |
熟成年数 | 12年 |
1779年創業でアイラ島最古の蒸留所であり、「アイラモルトの女王」とも呼ばれているボウモア。
ドライなスモーキーさとベリー系のフルーティな香り、ソルティな余韻が特徴。
熟成庫が海に面しており、潮風を含みながら熟成された原酒が一部使用されています。
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド・ローランド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | アメリカンオークバーボン樽 |
熟成年数 | 12年 |
サントリーがスコットランドに所有しているオーヘントッシャン蒸留所のフラグシップボトル。
ローランド地方伝統の3回蒸留を行い、アメリカンオークのバーボン樽で12年以上熟成させた原酒のみを使用しています。
桃のようなフルーティさと繊細な吟醸香にまろやかな味わい、アーモンドやキャラメルのような甘いフレーバーが特徴。
ライトなボディでストレートからハイボールまで幅広くお楽しみいただけます。
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・ハイランド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | ‐ |
熟成年数 | 12年 |
デュワーズの原酒確保のために建てられ中核となるキーモルトを作っているアバフェルディ蒸留所。
そのフラグシップボトルが「アバフェルディ12年」です。
熟した赤リンゴやナッツ、シナモン、はちみつのような香りとコクのある余韻が特徴。
甘く芳醇な味わいで、ストレートからハイボールまで幅広く楽しめる一本となっています。
- ミーティー(肉感)のあるフルボディなスコッチウイスキー
- リッチでほかに無い独特なフレーバーが楽しめる
- 値段が高く、なかなか手に入らない
- 軽やかで爽やかな味わいとスモーキーさ
- ストレートやハイボールに最適なさわやかさ
- 12年物はネット以外で手に入らないことが多い
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
12年のウイスキーをまとめて飲んでみると、改めて12年物のウイスキーって「バランスがいい」ものが多いなと思います。
そして12年物のウイスキーはお勧めしたいボトルが多すぎる!!(笑)
だから逆に載せるものを悩んでしまいました。。
よく言うともっとご紹介したい12年物は多いです。。
そして反対に10年物の方が個性的なウイスキーが多いように感じます!
今度は「10年」について深堀してみるのもいいかもしれませんね。
そんなことを思いつつ、今日もウイスキーを楽しんでいこうと思います。
それでは、良いウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いします!!
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